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 私は365日、日本全国各地を飛び回り、いつも何かしら仕事をしているという環境に身を置き生活をしています。

 さて、今日は大阪、広島から東京に戻りました。コロナ禍の飛行機や列車、ほとんど乗客がいない日から、コロナ前を超えるくらい日常が戻りました。何年かぶりの夏がもうやってきています。心から嬉しく、今もコロナに罹患している方々がいらっしゃるのには胸を痛めておりますが、その一方で、通常通りの日常が戻ってきたことを改めて感謝しています。

 われわれが営業している宿泊施設では、久しぶりのご旅行を、精一杯、いろいろな工夫を凝らしてお迎えしています。また、おもてなしをしている側のスタッフの笑顔を見るのもうれしいもので、繁忙をいとわず、むしろ喜びに満ちあふれて接客している姿に感謝しております。

 さて、コロナ以前と異なるのは、「あれ、こんなところにも観光客が。」と思うほど、かなり遠方にある地域の名勝にも観光客の姿をお見かけすることです。先週は、鹿児島から宮崎へ向かう在来線の小さな無人駅から外国人観光客数名が乗って来て驚きました。外国人個人客を中心に旅行先選択の多様化が進んでいますね。

三豊の桜

三豊市 企業版ふるさと納税

 香川県三豊市を先日訪ねました。宝山湖公園を拠点に、Jクラブであるカマタマーレ讃岐と地域活性化に取り組んでいます。そのようなご縁で、三豊市長をはじめ地元の方とお話をする機会をいただきました。

 三豊市に、自然が豊かな紫雲出山という標高352mの山があります。浦島太郎が玉手箱を開け、出た白煙が紫色の雲になって山にたなびいたことが、名前の由来とのこと。紫雲出山は春には桜が、初夏には紫陽花や四季折々の花が美しく彩り、Yahoo!JAPANの「日本が誇る桜の絶景15選」や、「死ぬまでに行きたい!世界の絶景 日本編(試歩著書)」、米国ニューヨークタイムズ紙などに掲載されたことでネット上で相当の注目を集め、瞬く間に観光客が50万人ほど訪れる世界の名勝になったそうです。

紫雲出山の桜(写真提供:三豊市観光交流局)

 地元の方々の愛する風景が、SNSやメディアなどを通じてあっという間に世界に広がるさまをお伺いした一方で、社会基盤やインフラが追い付いていないそうです。例えば、宿泊者を受け入れる体制が数千室単位で足りていない、食事を食べていただく場所には限りがある。狭い山道をレンタカーでどんどん登ると、細い道で行き止まりになり、戻るのが大変であったり、お手洗いがなかったり。サステナブルインフラのいちごとしては、例えば空いている食堂などと家庭料理をこしらえる方々をうまくマッチングする、空家があればリノベーションして泊まれる施設にする、お手洗いを貸していただける事業所さんを募るなどといったことをスピード感を持ってお手伝いできないだろうか。民間の所有物を権利調整するなどをして、自然なままの街並みを見ていただきたい。民間で協力をして知恵を出し合いながらこういうことができれば良いと、おせっかいながら考えています。三豊市に限った話ではなく、行政、地域のみなさま、企業がお互いに声掛けをしながらこのような課題に対応をしていきたいと考えています。

石原実(いしはら・みのる)いちご㈱執行役副社長兼COO

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