「体位向上 山と温泉へ」と題した水上温泉郷の昭和初期の観光パンフレットです。この貴重な資料は、水上温泉近くでお店を営んでいたTさんから頂戴しました。
文字は右から左へ。旧字で読み方も難しいですね。水上温泉郷御案内と書かれた文章からは、当時から風光明媚であり、交通の便もよく、四季を通じて楽しめる観光地であったことがよくわかります。
また、各温泉旅館の紹介では「内湯」というのがあえて表記されているのも当時の様子が想像できますね。旧水上町には23軒の宿が確認できます。距離の表記は「粁」キロメートル。「丁」360尺=60間≒109メートル。尺貫法が1959年(昭和34年)から用いられたので、それ以前ということも読み取れます。
地図では、上越線は単線。藤原ダムもまだありませんね。最奥には湯ノ花温泉も。今は矢木沢ダムの湖底に沈んだ幻の温泉です。山の名前にもご注目です。
貴重な資料のご提供、重ねてお礼申し上げます。
(これまでの寄稿は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=15
寄稿者 木村崇利(きむら・たかとし) (一社)みなかみ町観光協会