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メルヘンチックなドイツ・ローテンブルクのクリスマス

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 クリスマス・マーケットで大賑わいの欧州各国のクリスマスシーズンにあって、キリスト降誕の祝祭に熱心な欧州の町がある。日本人にも人気のドイツ・ロマンチック街道南端のローテンブルクのクリスマスの賑わいを紹介しよう。

寒さも忘れさせてくれるブルーラインの街並み。夜空に映える建物が印象的

プレーンラインの街並みを見事に演出するイルミネーション

 街の南に位置するプレーンラインは、クリスマスを盛り上げるローテンブルグの最大の試みと言える。キリスト降誕の日の未明にサンタクロースが現れて各家庭に贈り物を届けてくれる事を願って終日イルミネーションでプレーンラインを飾る演出は見事だ

小雪が舞い、クリスマスへの期待と喜びが盛り上がる

 折しもこの時期に小雪がローテンブルクに舞い出した。大雪になる前に市民が一斉に町に出てクリスマス・ツリーのオーナメントを探し求め、その後のクリスマスの団欒のための準備に取り掛かった。

 ローテンブルクに雪が降る事は珍しい事ではないが、クリスマスの到来を日一日と待つ市民の気持ちが町中に溢れているようで楽しくなる。

厳しい冬でも多くの人たちが繰り出し、喜びを共にする

「おとぎの国」が出現、老舗ケーテ・ヴォルファルト

 ローテンブルクがクリスマスの町として名高いのは、もともと「ケーテ・ヴォルファルト」という名の創作性の高いクリスマス用品を売る老舗の本店がローテンブルクにあったからだ。クリスマス・ツリー、花輪、幼児キリスト(小人形)、サン・二コラ(サンタクロースの原型の人形)に加え、テディベア(小熊の人形)など、ありとあらゆるクリスマス用品が一年中売られ、通年、欧州各国から駆け付ける観光客で賑わう。特に、クリスマスが近づくと店内の品数も増え整然と並び飾られ、おとぎの国が出現し、入れ替わり立ち替わり出入りする人を魅了して止まない。

地聖なるひと時を堪能するケーテ・ヴォルファルト本店

 ローテンブルクは、町の一番の人気店ケーテ・ヴォルファルトと共に欧州クリスマスをリードしてきたと言っても過言ではないだろう。

旅行者も喜びを共にする聖なる時のマーケット

 もちろん、町の中央に立つ市庁舎前の広場に大きなクリスマス・マーケットが催され、連日連夜市民で賑わっている事は言うまでもない。市庁舎前のクリスマス・マーケットは、くるみ割り人形、サンタクロースの人形、陶製の木組みの家のミニアチュール、ロウソク立てなど、伝統的なクリスマス・オーナメントや日常衣類を売る店が多く、夜遅くまでまばゆいイルミネーションで店を飾り喜ばれている。 聖ヤコブ教会からは、教会聖歌隊が駆けつけて連日のようにクリスマス・キャロルを演奏し続ける。クリスマス・マーケットに集まる大勢の市民はクリスマスを象徴する演奏を聞くケーテ・ヴォルファルトに、やがてメルヘンチックな世界へと誘い込まれる。

 おやおやクリスマス・マーケットに集まる人々の中にツーリストたちの顔が見える。その数は年々確実に増加している。彼らの目的は、メルヘンな世界を市民とともに楽しむこととすてきなクリスマス用品を手に入れる事であろう。

 聖歌隊が祝福ムードを盛り上げる

町に出れば、通りのどの館の前でも、室内でもクリスマス・ツリーを飾り付け、キリスト降誕の祝祭を祝う準備に明け暮れている。ドイツのローテンブルクはクリスマスが近付くと、市民は忙しくもあり活気づく。

ミュンヘンからショートトリップでクリスマスの聖地へ

 年々、世界各国で盛んになるクリスマス行事。年末年始に海外に出かけるなら、南ドイツのロマンチック街道の町、ローテンブルクは外せない。ローテンブルクが最も輝く時だ。ミュンヘンから鉄道でショートトリップも可能。心の中までクリスマスの飾り付けで一杯になりそうだ。いざ行かん、クリスマスのローテンブルクへ。

さりげないこんな飾りつけで、幻想的風景が現れる

(2019年の現地取材と2024年の現地情報に拠る)

寄稿者名 旅行作家 山田恒一郎 (やまだ こういちろう)

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