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「地元で常識」の素材を披露、北陸3県が第8回北陸観光PR会議を開催

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富山県、石川県、福井県は11月29日、北陸3県の魅力を発信する「第8回北陸観光PR会議」を東京・京橋で開いた。会場には20団体以上が出展し、旬の観光素材から地域ならではの文化・食・体験まで、地元では常識だが域外では意外と知られていない魅力が一堂に披露された。

冒頭のあいさつでは、富山県観光推進局観光推進室の小林充恵主査の小林氏が、北陸新幹線の開業から10年たち、鶴舞延伸から約1年を迎え、「3県が概ね1時間で結ばれ、北陸全体を一つのエリアとして楽しむ環境が整った」と強調。観光素材の磨き上げや2次交通の充実、周遊プラン造成の取り組みを説明し、「メディアとの連携を深め、北陸の魅力をより多くの方へ届けたい」と語った。

前半は各県・自治体による60分間のプレゼンテーション、後半はメディアとの自由商談会が行われ、終始にぎわいをみせた。

プレゼンテーションでは、JR西日本が北陸デスティネーションキャンペーンや2026年2月運行予定の団体専用臨時列車「つながる北陸~冬の美食~」号など、冬の誘客施策を披露。食の価値を軸にした北陸の表現強化を掲げ、越前おろしそばや富山湾寿司など地域固有の背景・文化まで伝えるプロモーションを展開していく。

富山県南砺市は、昔の農具を起源とする雪上滑走具「BENTA」を新たに体験型アクティビティとして紹介。今年2月には「作る+滑る」が一体となったツアーの開催が決定している。さらに、手づくり麹で深い味わいを生む「南砺のかぶら寿司」、五箇山豆腐を中心とする「報恩講料理」など、冬の食と文化を一挙に発信した。

富山県観光推進局は、県外旅行者から寄せられる冬の移動の不安に対し、鉄道・高速バス・路線バスを組み合わせる豊富な二次交通の利便性をアピール。また、雨晴海岸の気嵐やひみ番屋街での冬ならではの景観と食を組み合わせた4つのモデルコースを提案し、来場者の関心を集めた。

石川県小松市は、前田利常公が礎を築いた町人文化をテーマに、お旅まつりの曳山子ども歌舞伎や伝統芸能、加賀料理の歴史と魅力を紹介。来年3月に開かれる東京・、浅草子ども歌舞伎祭りへの出演も発表し、江戸文化との新たな交流の広がりを強調した。

石川県白山市は、ハイブランドであるエルメスの元デザイナーである寺西俊輔氏が日本の伝統技術とファッションを融合する「MIZEN」プロジェクトを中心に紹介。白峰地区の工房見学、牛首紬の織り体験、雪だるま祭り、白山比咩神社の特別参拝など、白山麓でしか得られない深い文化体験をアピールした。

福井県福井市は、戦国期に京都・堺に次ぐ大都市として栄え、織田信長により焼失した一乗谷朝倉遺跡を軸にした観光を紹介。滞在型観光への転換に向けて、歴史ショー「朝倉狂楽」などを含むモニターツアーの企画や、「妖怪城下町」といったストーリー型の広域連携イベントも構想している。

最後に登壇した坂井あわらエリア周遊滞在型観光推進協議会は、東尋坊、三国港、あわら温泉などの観光地を線で結ぶための周遊デジタルチケットを紹介。2千円で3千円分使える得さに加え、家族、グループでのシェア利用、加盟店の多さなど寄り道を誘発する仕組みが特徴だ。

会場の商談エリアでは、旬の写真素材、冬の取材向けモデルコース、体験商品の試食・試飲などが並び、メディアと自治体担当者が直接情報交換する姿が目立った。北陸3県が、冬こそ価値が際立つ地域であることを再確認させる場となり、地域側からは「新たな特集企画にぜひ活用してほしい」との声が聞かれた。

取材 ツーリズムメディアサービス編集部

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