両備グループのニッコー観光バス(松本修明代表取締役COO、東京都品川区)は12月8日、バス運転者の特定技能試験第1号合格者である外国人バス運転手の初乗務を行った。2024年に施行された自動車運送業の特定技能制度のもとで初めてとなる外国人乗務社員。当日は羽田空港ターミナルで全日本空輸(ANA)の客室乗務員の送迎を担う貸切バスを運転し、計5便を運行した。
初乗務を行ったインドネシア出身のイユスさん(41歳)は、2013年に来日して日本語学校を卒業後、旅行会社に勤務。24年6月にバス運転手を目指して現在の会社に入社し、25年1月にバス分野の特定技能1号評価試験で全国初の合格者となった。8月には日本語能力試験「N3」を合格し、9月に日本バス協会から交付第1号となる新任運転者研修の修了証書が交付された。
乗務開始に向けて、ニッコー観光バスがイユスさんの在留資格変更許可に向けた申請を行ない、11月に切り替えが完了。新任運転者研修を修了したあとも引き続き、車庫~羽田空港間の運転、無線操作、指導者が同乗しての実車教育などの社内技能研修を経て、今回の初乗務が決まった。

イユスさんは、運転手を目指すきっかけとなったプロフェッショナルとして取り組む日本のバス運転手の姿勢に、研修であらためて感銘を受けたと伝えた。安心安全な運転を心掛け、いずれは観光バスを運転し、「インドネシアの観光客を乗せたい」と熱意を語った。
ニッコー観光バスは「安全・快適なサービスを提供し、バス業界の乗務社員不足という社会課題解決に向けた新たな一歩」と期待している。
情報提供 旅行新聞新社(https://www.ryoko-net.co.jp/?p=159736)