帝国データバンクは3月8日、「安い弁当」ビジネスの限界が近づいているとする調査レポートを発表した。
2025年に発生した弁当店の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は55件となり、前年の52件を上回って2年連続で過去最多を更新した。
弁当店は仕出しやテイクアウトを中心に営業する業態で、会議やイベント向けの大口受注の減少やテレワークの定着により、事業所向けランチ需要が縮小。加えて原材料価格の高騰や人手不足、競争の激化などが重なり、経営環境は厳しさを増している。
特に近年はコメ価格の上昇が大きな負担となっている。鶏肉や食用油、小麦粉などの食材価格の上昇に加え、人件費も増加。一方でコンビニやスーパー、ドラッグストアの総菜、フードデリバリーなど競合が増え、価格競争が激化している。
低価格帯の弁当を主力とする中小店舗では、500円以下の弁当を提供するスーパーなどと競合し、値上げが進まず採算が悪化するケースが多い。弁当事業者の損益動向では、2025年度に赤字となった企業は41.9%に達し、赤字と減益を合わせた業績悪化は64.8%に上った。
こうした状況のなか、弁当市場では「こだわり食材」や「管理栄養士監修」など付加価値を高めた高単価商品と、セントラルキッチンなどを活用して低価格を維持する大手チェーンの二極化が進んでいる。安さを売りにした従来型の弁当ビジネスは転換点を迎えている。