帝国データバンクの調査によると、2026年度は正社員採用を予定する企業が6割を回復し、3年ぶりに上昇した。人手不足や事業拡大を背景に採用意欲は回復する一方で、中小企業では賃金格差による採用難が続いており、旅行・宿泊分野でも人材確保が大きな課題となっている。
帝国データバンクが実施した雇用動向調査によると、2026年度に正社員の採用予定がある企業は60.3%となり、前年から1.5ポイント上昇し2年ぶりに6割台を回復した。人手不足の長期化に加え、退職や高齢化に伴う補充需要、さらには事業拡大を見据えた増員など“攻めの採用”の動きが広がっていることが背景にある。
採用形態では中途採用が52.4%と新卒の36.9%を大きく上回り、即戦力志向が鮮明となった。特に中小企業では教育コストや初任給上昇の影響から新卒採用が難しく、中途採用への依存が強まっている。一方で大企業は新卒・中途ともに高い採用意欲を示しており、企業規模による格差が拡大している。
業界別では運輸・倉庫や製造に加え、医療・福祉などで採用意欲が高水準となった。観光関連では、インバウンド需要の回復を背景に旅館・ホテル分野で非正社員の採用意向が約8割に達し、宿泊業の人材需要の強さが際立っている。飲食や小売も含め、観光消費に関連する業種では人手確保が引き続き重要課題となっている。
一方、全体として非正社員の採用予定は41.2%と3年連続で低下し、企業の正社員シフトも進んでいる。ただし採用意欲があっても「応募が集まらない」「賃金水準で大企業に劣る」といった声が多く、実際の採用には至らないケースも目立つ。特に中小企業では賃上げ余力の乏しさが採用活動の制約となっており、既存社員との賃金バランス調整も課題となっている。
情報提供 トラベルビジョン(https://www.travelvision.jp/)