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野沢温泉どうなってるの、平日のレストランは9割が外国人、日本人も外国人も居心地がいい理由とは

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 1月、長野県野沢温泉にスキーに行った。ニセコに始まったスキー場のインバウンドブームは本州にも上陸し、長野県の白馬や軽井沢、野沢温泉は外国人スキーヤー(スノーボーダー含む)で満ちているという。どんな感じだろう。

えきねっと初体験、新幹線改札はパスモで通る

 コロナによる生活苦で車を手放したから、いつ以来か覚えていない電車でのスキーツアー。JR東日本のウェブ予約だと割安チケットが買えるというので、都内から北陸新幹線飯山駅までの往復チケットを、えきねっとで初めてウェブ予約した。えきねっとを使った記憶はないけどアカウントは持っていた。

 ネット予約の手順は簡単だった。新幹線改札の入退場は交通系  ICカードを使う仕組みで、紐づけのためにパスモに記載してある何桁かの数字を入力する必要があった。何十年も使っているパスモの裏面に何桁かの数字が打ってあるのを初めて見た。

 紙のチケットはなく、新幹線の改札をパスモで通れるのか、かなり不安だったけど大丈夫だった。スマホに届いたメールで号車座席番号を確認して北陸新幹線に乗車した。

 乗った車両の3分の2は外国人だった。3列シートの窓際予約で、前後左右を外国人グループに囲まれた。彼らは長野駅で降りた。たぶん多くは白馬方面に行くんだろう。次の停車駅、飯山駅で残りの外国人と一緒に電車を降りた。降車したのは外国人の方が圧倒的に多かった。

 ここから野沢温泉までは、新幹線到着時間に合わせシャトルバスが出ていて、所要時間約30分で600円だった。シャトルバスには観光バスが使われていて、大きな荷物も座席下の荷室に入れられる。

海外に見つけられた日本のスキー場

 東京を早朝に出たから、11時台にはゲレンデに立っていた。日曜の昼前で、長坂ゲレンデのチケット売り場もゴンドラ乗り場にも列はなかった。久々のスキーで気持ちに余裕がなく、つい目の前の無人販売機で4時間券を買ってしまった。シニア割で買うのを忘れて、後悔した。

 この日、数回乗った8人乗りの長坂ゴンドラは、いつも外国人と一緒だった。ほとんど英語だったけど、中国語、韓国語、スペイン語、フランス語の会話も聞いた。日本のスキー場に外国人スキーヤーが来はじめた頃は、季節が違う、南半球のオーストラリア人ばかりだったけど、今や、ヨーロッパや北米からも来ている。

積雪の多いシーズンは、人気のフォトスポット 

 今シーズンは年末に雪不足の心配がない、いい積雪だった。積雪で近くなった道路標識がフォトスポットのようで、いつも誰かが記念撮影をしていた。滑った3日間は暖かく、山頂付近でも気温は0℃ほどあった。

 友人お勧めのゲレンデサイドのレストラン「ぶな」で、1人でランチして、その後でビール休憩をした。日曜日の午後、週末の日本人スキーヤーは帰った後なのか、レストランは9割以上が外国人だった。その後の平日2日間も、同じ店で食べた。外国人ファミリーや若いグループが多かった。

生活文化の尊重で荒れないオーバーツーリズム

野沢温泉 レストランぶな
レストランでは外国にいるみたい

 温泉街に戻り、近くの外湯「熊の手洗湯」に行くと、4人も入ればいっぱいの湯舟に外国人が浸かっていた。暫くすると彼は静かにいなくなっていた。

 旅行者かも知れないし、住民かも、冬場に働いている人かも知れない。今や、できない日本人も多くなった、公共浴場での古くからの良きマナーも身につけているようだった。

 午後6時頃、温泉街中心を通る大湯通りはどこかの食堂を目指す多くの外国人が行き来していた。道路脇にはしゃれた感じの店が増えていて、ガラス越しの店内では食事前のいっぱいを楽しんでいる人たちがいた。

レンタルスキーショップ。屋上のフリースペースも人気

 かつての日本人旅行者ばかりの温泉街と言えば、午後6時前後は宿泊先で1泊2食の夕飯の時間で、街を歩いている人はいなかった。旅行スタイルの違いが宿泊の仕方も街の様子も大きく変えている。

 食べて飲んで午後9時頃に同じ大湯通りを戻ると、さっきほどは多くないけど、外国人が三々五々歩いていた。二晩歩いただけだけど、酔っぱらいを見なかった。

 昨年、野沢温泉に二拠点目を持った友人は、ここに来る外国人旅行者は、地元の生活文化をリスペクトしているように感じると言っていた。オーバーツーリズムにつきまとう「荒れた感じ」を、野沢温泉では感じなかった。

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