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人知れず、霞かかる秘境~秋山郷見倉集落・新潟県津南町~ニッポンを歩こう069

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秋山郷は、新潟県津南町と長野県栄村をはさむ13の集落の総称だ。日本の秘境100選に数えられる。しかし、秘境ゆえ交通の便が悪く、冬期は隔絶された場所である。平家の落人集落の伝承もあり、都会に住む者には、考えられない生活環境と言える。

そして、その中でも見倉(みくら)集落は、新潟県側の一番奥に位置する。民家が4軒、猫の額ほどの土地に田んぼや畑があり、自然と共生した循環型の生活が営まれている。

新潟・長野の県境を貫く国道405号線に、鄙びた結束温泉という温泉がある。その停留場で路線バスを降り、集落までは徒歩で約30分もかかる。そして、途中の中津川に架けられた見倉橋を渡る。すると、新緑や紅葉と四季を通じて、木々の彩りに魅せられる景観が姿を見せる。まさしく、日本国内にも、このような場所があるのかと、都会人にとっては、まさしく青天の霹靂の体験である。

不自由さを克服し、本来の観光の姿を

さて、クルマが無いと生活できない場所は全国各地に存在する。一方、その不自由さを売り物にしているリゾート会社もある。全世界展開する「CLUB MED」のポリシーは、客室にテレビを置かないことである。その不自由さを克服するために、館内ではお客さまを満足させるアクティビティを開催する。それも24時間だ。

見倉集落にそれを求めるわけではない。しかし、観光は自分自身で作り上げることが本来の姿。大切なモノ・コトである。自給自足の観光、満たされた生活から非日常を体験するためには、不自由さを克服することにあるのかもしれない。

(2015.05.09.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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