大雪山系を囲む周遊ルートを北海道ガーデン街道と称するようになった。地域の自治体が連携して誘客活動を進めている。ここ上川町の森のガーデンもその一つだ。900品種もの色彩豊かな草花が咲き誇る「森の花園」エリア、自然の木々や山野草の中で寛ぐ「森の迎賓館」エリアと「遊びの森」エリアで構成される。そして、北海道特有の丘陵地帯の向こう側には、雄大な大雪連山を望む。
北海道の空港は、新千歳を除くと中規模機しか運航できない。そのため、輸送力の乏しさによって、旅行商品は、新千歳空港を中心に造成される。また、鉄道網は廃止線区が増え、逆に高速道路網が充実している。その結果、個人旅行化された旅行形態は、レンタカーの利用など、再構築されつつある。
環大雪山観光ルートの魅力
さて、この大雪山周辺には、帯広や旭川、女満別や釧路といった空港が同心円状に存在する。それ故、大雪山系を中心とした環状型観光ルートが新たな観光コンテンツとなりうる。札幌を中心とする都市型観光ルートとは違った北海道らしいを取り入れたコースづくりが可能だ。また、近隣には、宿泊地も豊富なため、多岐に渡るコース選択が実現する。
本当の姿の北海道に触れる、大自然の素晴らしさを感じるツアーは、これから求められるものだと確信する。「らしさ」のモノ・コト消費、北海道観光復権の起爆剤になって欲しいものだ。
(2015.08.02.撮影)
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取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長