残薬の二錠合わない梅雨はじめ
この句は、梅雨の始まりにふと気づいた「薬の数が合わない」という違和感から生まれました。医師から処方された三種の薬は、毎日きちんと飲めば、最後までぴったりと数が合うはず。しかし、残った薬を数えてみると、なぜか二錠だけ余っている。その小さなずれが、日常のリズムの狂いを象徴しているようにも思えました。じめじめとした梅雨の空気の中で、こうした些細な不一致が、ふと心に引っかかり、小さなものの憂鬱と結びついてゆく気分を句に込めてみました。
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