「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2026」表彰、7名の女性リーダーを称える

働く女性のキャリアと生き方を考える総合イベント「WOMAN EXPO 2025 Winter」が11月29日、東京・港区の東京ミッドタウンで開催された。併せて、各界で顕著な成果を挙げた女性を称える「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2026」表彰式も行われ、ビジネス・文化・医療など多彩な分野から7名が受賞した。

WOMAN EXPOは、日経グループ各媒体が連携し、2014年から続く働く女性のための大規模イベント。日経ウーマン、日経xwoman、日経ヘルス、日経トレンディなどが、女性活躍、健康、トレンドをテーマにセミナーや展示を展開した。

キャリア戦略、生理との向き合い方、金融業界のリアルなど多様なテーマ

会場では、働き方や生き方をテーマとしたセッションが行われた。

● 山口真由さんが語る「挫折」と「自分に合う場所」

弁護士でコメンテーターの山口真由氏は、自身が経験した挫折を踏まえ「自分が何者かを知り、合う職場を選ぶ大切さ」を語った。2児の母としての子育ての失敗談や日常の“ピンチ”も交えながら、仕事と育児のバランスへの向き合い方を紹介。「ケアする人とされる人、双方に支援が届く社会にしたい」と締めくくった。

● 益若つばささんが明かす生理・ホルモン治療との向き合い方

モデル・益若つばさ氏のセッションでは、生理痛やホルモン治療への誤解をテーマに、婦人科医の稲葉可奈子氏とパネルディスカッションを実施。自身が治療を始めたことでの変化を共有し、「発信することで誰かの助けになれば」と語り、会場の共感を呼んだ。

● 女性経営者が語る金融業界の未来

高知銀行の河合祐子頭取、大和証券グループ本社の田代桂子副社長は、金融業界が直面する課題やキャリア形成について議論。「重要なのは“女性初”よりも“多様性”」（河合氏）、「女性首相を“選んだ”市民に価値がある」（田代氏）など、立場を超えた意見が交わされた。

「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2026」変革を生む7人の女性に光

注目のアワード「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2026」では、今年の社会・産業を象徴する7名の女性が受賞した。

【大賞】永山祐子さん（永山祐子建築設計）

ドバイ万博の資材を大阪・関西万博でリユースするという持続可能な手法に挑戦。2児の出産後の働き方改革で事務所を拡大し、男性中心の建築業界で大型プロジェクトを次々と手掛ける。「やりたいことは口にすると仲間が増える。無謀でも実現できた」と語った。

【主な受賞者】

• 赤木円香さん（AgeWellJapan）
  シニアのウェルビーイング向上を軸に新市場を開拓。BtoB事業は開始1年で売上3倍に。
• 小川久美子さん（衣装デザイナー）
  映画『国宝』が興収170億円を突破。映画衣装の第一線で活躍し、次世代育成にも注力。
• 公文和子さん（小児科医／シロアムの園代表）
  ケニアで障がい児支援施設を運営。療育・医療・教育支援を包括的に提供。
• 藤原加奈さん（フジワラテクノアート）
  中途採用5枠に800人が応募する人事制度改革を実施し、老舗醸造機械メーカーを変革。
• 山岡加菜さん（キリンビール）
  規格外果実を活用した「氷結mottainai」を企画。第1弾27万箱出荷のヒットに。
• 若月貴子さん（クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン）
  大量閉店からブランドをV字回復へ導き、2024年12月期は売上過去最高を記録。

表彰式では、映画監督・李相日氏からのサプライズVTRに涙する場面も。来場者からは「女性活躍のロールモデルとして励まされる」といった声が聞かれた。

次回は2026年6月、渋谷ヒカリエで開催へ

閉会後は映画『国宝』の衣装展示も行われ、会場を彩った。セミナーのアーカイブ配信は今週より順次公開される（一部除く）。次回の「WOMAN EXPO 2026 Summer」は、2026年6月6日に渋谷ヒカリエで開催予定。詳細は2026年春に公式サイトで発表される。

イベント概要

• 主催：日本経済新聞社、日経BP
• 会期：2025年11月29日　10:00〜17:30
• 会場：東京ミッドタウン・ホール（東京都港区赤坂）
• 公式サイト：https://events.nikkeibp.co.jp/woman/2025w/