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俯瞰するニッポン(その7)~真白き砂浜は、空からも・南紀白浜空港~

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 九州や四国から羽田に向かう航空機は、四国山脈から紀伊半島を抜けて行きます。この日、松山空港からの日本航空436便は、ふと雲の切れ間に弓なりの海岸線と空港の姿を見ることができました。首都圏から一番遠い観光地、南紀白浜空港と白良浜です。

朝ヨガも行なわれる真白き白良浜
朝ヨガも行なわれる真白き白良浜

 真白き砂浜が一面に広がり、春夏秋冬と観光客があふれています。空から見てもその姿はとても優雅です。そして、この白良浜では、朝早くから「朝ヨガ」を体感できます。「朝からヨガ」は「必ず、泊まらなければ、体験できない」コンテンツ造りを意味し、新たな地域振興につながる一つの手法となっています。

 また、目を山の方に移すと二本の滑走路。短い方は、かつてプロペラ機が発着した旧白浜空港。長い方は、小さなジェット機が発着できるものです。風が強く欠航率も高い空港と言われます。しかし、すぐそばに空港のある温泉地は、日本の中でも数少ないものです。ただ、現在は羽田便のみが運航。乗ることができる人数も限られているため、なかなか首都圏からの観光の主流にはなり得ていません。

歴史に裏打ちされた名温泉地

 日本三古湯の一つ、また、熱海、別府と並ぶ日本三大温泉と言われた南紀白浜温泉は、7か所に細分された温泉郷です。その中心は、白良浜のある海岸沿いの地域となります。そして、日本書紀にも奈良時代の数多くの天皇が訪れたと記され、万葉集にも牟婁(むろ)の湯と謳われています。

 白浜温泉は、日本列島を覆うどの火山帯にも属さない温泉地。兵庫県の有馬温泉とともに不思議な温泉地とされてきました。フィリピン海プレートから惨出した高温の地下水が滞留したものと言われています。

 観光旅行は、今も昔も2時間100キロの場所が選ばれると言われています。関西圏における対象地域は、城崎温泉と有馬温泉、そして、南紀白浜温泉となります。

 戦後まもなく、京阪神の奥座敷として、新婚旅行先に選ばれる温泉地として注目を浴びました。その後、企業団体の慰安旅行先として、大規模な温泉旅館も次々と建設されるようになりました。

素早い個人旅行への対応、次なるステップ

春分と秋分に中央の穴に夕陽が沈む、円月島
春分と秋分に中央の穴に夕陽が沈む、円月島

 しかし、旅行形態が団体から個人に変化し、それに対応して、日本一のパンダの保有数を誇るアドベンチャーランドなどの家族向けの施設が開園。夏の海水浴や花火大会など、アミューズメント性を高め、人気を博しています。また、景勝地としての円月島は、春分と秋分の時期に、中央の穴に夕陽が沈みます。そして、近畿大学が完全養殖した「クエ」をはじめとする海の幸も魅力の一つとなっています。

 京都や大阪から「パンダ」ラッピングした特急列車で一本の交通至便な温泉地。また、あらゆる世代が好む観光コンテンツを保有する南紀白浜。関西圏だけでなく、全国区の温泉地に昇り詰めることを望んでいます。

寄稿者 観光情報総合研究所 夢雨/代表

(これまでの寄稿は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=181

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