日本平は、日本武尊(ヤマトタケル)伝説に由来する三保半島や駿河湾越しに富士山を愛でる景勝地。ロープウェイで南側に位置する久能山東照宮と結ばれている静岡市(旧清水市)を代表する観光地だ。また、久能山の麓には、石垣いちごの観光農園も多く、自然の景観や食体験も豊富な古くからの観光地である。
昨今、訪日外国人が増えると、富士山観光は、人気の的となっている。山梨県側は河口湖が代表的な場所。一方、静岡県側は、箱根やここ清水が中心である。また、新幹線に乗りたいというニーズが高く、周辺の宿泊施設の予約は、早くから満室になることも少なくない。
風景美術館のイルージョン
さて、この日本平ホテルは、2012年9月にリニューアルされた。富士山側は、大きなガラス窓が張り巡らされている。そのため、居ながらにして富士山の姿や眼下に広がる清水の町並みを見せる「風景美術館」とも称されている。
夕暮れともなると、時季によっては、富士山が赤く染まる。そして、町の灯りが徐々に広がってくる。ロビーから階下のメインダイニング越しに清水の町の夜景が映し出される。その景色は、至福の空間、不思議な感覚を得る。ガラスに映ったレストランの姿が夜景に同化、パノラマビューが素敵な瞬間に変わっていた。
(2019.10.18.撮影)
(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8
取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長
一度は行ってみたいなと思うホテルです。