首里城の南斜面に位置する金城町は、琉球王朝時代の城下町。城からつづく石畳の道が、琉球の歴史を刻む優雅な町だ。第二次世界大戦で、その大半が破壊されコンクリート舗装されていた。しかし、1983年に歴史的地区環境整備事業によって、再び石畳に整備された。現在は、首里城公園の南側に238mの石畳の道が造成されている。
年月を経て光沢を帯びた道は、琉球石灰岩の平石が敷きつめてある。乱敷きという20~30cmの平石の表面は小さくたたかれた仕上げになっている。そして、急峻な場所には階段を施し、すべり止めの溝が、歩きやすいように工夫されている。また、住宅街の中には、食事施設や休憩場所も作られるようになった。
首里観光の成長こそ、次世代の沖縄観光
首里城公園を訪れるほとんどの人々は、正殿を目指して、短時間で観光を終える。しかし、城下町の姿や琉球王朝の歴史を、ゆっくり自らの足で確認していくことも地域観光の初歩と言える。ただ、このような歴史的なモノ・コトに触れる観光は、しっかりとした説明がないと理解を得ることが難しい。首里城公園内で実施されているガイドツアーが、もっと範囲を広げて金城町でも行われるようになれば、より多くの観光客が訪れる観光コンテンツとして成長していく。
その土地の歴史や文化を学び、理解することは、地元の方々との交流も生まれる。今や交流人口の拡大がメインテーマ。そのため、住む人と訪れる人が交わるツアー造成が一番望まれる。そのような町歩きこそ、次世代につながるものであろう。一日の早い首里城正殿の復元と周辺観光の深耕、沖縄観光のトップアスリートとして、充実することを望みたい。
(2018.01.20.撮影)
(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8
取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長
私も金城の石畳好きです。途中にお休み処もあって、のんびりと沖縄を楽しめます。