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「昭和喪失」 ~あと数年も経つと「遺産」となる~ そのような時代を迎える前に 第3章 東京都渋谷区・代々木~厩道・青山街道踏切~

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第3章 東京都渋谷区・代々木~厩道・青山街道踏切~

 山手線には、4つの開かずの踏切と言われるものが存在する。円を描いている山手線の本線には、田端と駒込の間の第二中里踏切。本線の隣を走る貨物線には3つの踏切。代々木付近の青山街道と厩道、そして、目黒と恵比寿の間にある長者丸だ。

 本線上唯一の第二中里踏切は、周辺道路が改修され2029年頃までに廃止される。しかし、山手貨物線の3つの踏切は、将来がどうなるか決まっていない。

開かずの踏切・・・何故?

 2000年代、湘南新宿ラインや埼京線・りんかい線の直通運転が開始。山手貨物線の旅客運用は始まった。運行本数が増えるにつれて、開かずの踏切と言われていた。そして、2019年の相鉄線新宿乗入れ。踏切は閉まっている時間がさらに増大した。特に代々木付近の二つの踏切は、自動車も通行できる。そのため、歩行者を含めて、大きな問題となっている。地域行政である渋谷区は、地下化をはじめとする改善策をJR東日本に要請している。しかし、猫の額のような土地を改良する難度によって、解決策が一向に見えない。

 踏切の改修や廃止によって、鉄道側は運行密度を高めることができる。また、踏切を渡る自動車や歩行者も安全が担保される。双方にとって最善策の方法に見える。しかし、実際にその場に立つと、策を講じるには大掛かりな工事が必要だと実感する。

 踏切という「昭和喪失」によって、飛躍的に変わるモノ・コトがある。ここは、そんな場所なのかもしれない。

(つづく)

寄稿者 観光情報総合研究所 夢雨 代表

(次ページは二つの踏切のある日の風景)

撮影・取材 2023年6月26日

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