ブッキング・ドットコムは、33の国と地域、27,000人以上を対象に調査を行い、2025年の旅行に関する9つのトレンドを発表した。
1. 宇宙を体感する「ナイトツーリズム」
天体観測を楽しむ旅行が2025年の注目テーマとなる。62%の世界の旅行者(日本:42%)が夜空の美しい場所を訪れることに関心を持ち、特に天体観測(世界:72%、日本:67%)や星座観察(世界:57%、日本:43%)が人気だ。気候変動による暑さを避けて夜間に活動する人が増加している。54%の旅行者(日本:38%)が夜間の活動を重視しており、照明を抑えたエコフレンドリーな宿泊施設の需要も高まっている。
2. 長寿を得る没入型リトリート旅
ウェルネス旅行が進化し、健康や長寿を目的としたリトリートが人気を集めている。全身振動やレッドライト療法、幹細胞治療といった新しい健康法を試す旅行者が増えており、60%(日本:34%)が健康改善を目的とした旅行に関心を寄せている。さらに、寿命を延ばすための習慣を学ぶことや、日常生活に取り入れやすいウェルネスプログラムへの関心が高まっている。
3. 個の欲求を満たすAI活用の旅
AIを活用して旅行をパーソナライズする傾向が顕著になっている。AIトリッププランナーなどのツールを使って、66%の旅行者(日本:38%)が自分のニーズに合った旅を計画している。特に、ソーシャルメディアを通じて観光地を守る責任ある行動が注目されており、44%が「訪問地のタグ付けをしない」と回答している。
一方で、Z世代の47%とミレニアル世代の44%は「場所をタグ付けできないのであれば、その目的地を訪れることを考え直す」と回答している。世界の旅行者の67%(日本の旅行者:55%)は混雑していない場所を探すためにテクノロジーを利用したいと考えており、23%(日本の旅行者:21%)はこうした問題にリアルタイムで対応するために、すでにアプリを利用している。
4. 多世代で紡ぐ、心に刻む旅
家族全体で旅行を楽しむ「多世代旅行」が増加している。46%の旅行者(日本:46%)が遺産を残すよりも旅行にお金を使いたいと考えており、特にベビーブーム世代ではその割合が49%に上る。家族全員で旅行を通じて絆を深めると同時に、祖父母が孫の旅費を負担するケースも多い。
5. 男性’同士’、ウェルネスと自己啓発の旅
男性同士の旅行が変化を遂げ、アルコールや宴会を重視するのではなく、メンタルヘルスや自己成長を目的とする傾向が高まっている。47%(日本:20%)の旅行者が男性同士の旅行を勧めており、孤独感を癒し、深い絆を築く場として位置づけられている。
6. シニアの枠を超えたスリル満点の冒険旅行
シニア世代の旅行が静的なものから冒険的なものへ変化している。23%のベビーブーム世代がアドレナリンを求めた旅行に興味を持ち、乗馬や氷河探索など新しい挑戦を楽しんでいる。年齢に縛られない生き方を反映したトレンドである。
7. 見えない細部のニーズを形にするテクノロジーの活用
旅行者の細かなニーズに対応するためのテクノロジーが進化している。67%の旅行者(日本:55%)が混雑を避けるためにテクノロジーを利用しているほか、リアルタイムで旅行計画を最適化するアプリの利用も増加している。
8. ヴィンテージを楽しむ旅
持続可能性を意識したヴィンテージ旅行が人気を集めている。古い文化や伝統に触れるだけでなく、持続可能な方法で現地を楽しむことが重視されている。
9. 空港を旅程の一部として楽しむ旅
空港そのものを目的地の一部として楽しむ傾向が見られる。ショッピングやエンターテイメントを提供する空港が増加し、旅行者が長時間の待ち時間を有意義に過ごせるようになっている。