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トリップアドバイザー、ライフステージ別旅行動向を発表、旅行前に服を買うのは

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 トリップアドバイザーは12月、ライフステージが旅行習慣に与える影響を分析し、2025年の旅行動向をまとめたレポート「Travel Through Life」を発表した。同レポートは、旅行者を「大学生」「新婚・婚約中」「子供が生まれたばかりの親」「子育て経験豊富な親」など8つのライフステージに分類し、それぞれの旅行計画や消費傾向を詳述している。調査はオーストラリア、ドイツ、日本、アメリカ、イギリスの18~75歳の6,700人を対象に実施された。

 調査によると、旅行への意欲はどの世代でも高いが、資金調達や旅行計画の方法に大きな違いが見られる。たとえば、日本の「子育て経験豊富な親」の84%が旅行前に新しい洋服を購入するなど、消費行動に贅沢を楽しむ傾向がある一方、「大学生」の40%は親に旅行費用を依存している。また、日本人旅行者全体では、文化遺産地が最も人気(47%)で、次いで都市部(38%)、ビーチ(34%)が挙げられた。ただし、子供が生まれたばかりの親はビーチを好む割合が高く(47%)、大学生は都市部を選ぶ傾向が強い(62%)。

 ライフステージ別の特徴として、「キャリア形成後」の世代は休息とリフレッシュを重視し、95%が旅行中に贅沢を楽しむと回答。一方、「引退後」の世代は健康上の理由から国内旅行を選ぶ割合が高く(83%)、観光や自然、歴史的名所を訪れることを好む傾向が見られた。また、「新婚・婚約中」の世代は旅行への関心が高く、過去5年より旅行を優先すると答えた人が全体の半数に上った。

 トリップアドバイザーのマット・デイシー副社長は、「旅行の好みは単に年齢だけでなくライフステージによっても大きく異なる。このレポートを基に企業が効果的なマーケティングを展開すれば、新たな収益機会を生み出せるだろう」と述べている。

 •大学生 : この世代は、2025年の旅行で特定の観光地を訪れることや記憶に残る体験をすることを最も望んでいます。彼らは熱心に情報収集を行い、デジタル環境からのインスピレーションに大きく依存しています。旅行を計画する際、この世代の日本人旅行者の86%がレビューを活用し、67%がSNSで自分の体験を共有しています。大学生の40%は、親などの収入源に頼って旅行費用の一部または全額を賄っています。

 •新婚・婚約中 :この世代は旅行への意欲が高く、過去5年間と比べて旅行を優先すると回答した世界の旅行者は50%という結果でした。約3分の2が来年中に海外旅行を計画しており、ほぼ半数(48%)がユニークで一生に一度の体験を求めています。

 •子供が生まれたばかりの親 :この世代の日本人旅行者の94%が子どもと一緒に旅行する予定と回答しましたが、他のどの世代よりも旅行の頻度は少なくなっています。宿泊施設を選ぶ際の最も重要な要素は「家族向けの利便性」で60%が重視しており、62%が赤ちゃん用品の準備や運搬を旅行の際の大きなハードルであると考えています。

 •子育て経験豊富な親 :この世代の日本人旅行者の約半数(45%)が共通の課題として挙げるのは、旅行中に子どもの年齢に合ったアクティビティを見つけることです。出費に関しては、子供のためにより意味のある体験を求めるためか、旅行に多くお金を使うことを厭いません。38%が子どもが成長したことをきっかけに旅行への支出を増やしており、98%が、旅行中少なくとも1つのカテゴリーで贅沢をすると答えています。

 •キャリア形成中 :この世代の人々にとって、食は旅行の重要な要素であり、日本人旅行者の76%が旅行中に贅沢な食事を計画しています。83%がミドルクラスまたは高級な宿泊施設に滞在すると答えており(リーズナブルな宿泊施設を選ぶのはわずか17%)、39%がプレミアムエコノミー、ビジネス、またはファーストクラスで旅行する予定です。

 •キャリア形成後 :この世代は休息とリフレッシュを最優先しており、旅行の主な動機は日常から離れることと、リラックスして元気を取り戻すことです。また、この層は出費を惜しまず、95%が旅行の1つ以上のカテゴリーで贅沢をすると答えています。特に、食事や宿泊施設にお金をかける傾向が強いほか、交通費にもお金をかける意向があり、約半数がプレミアムエコノミー、ビジネス、またはファーストクラスを利用しています。

 •子供が自立した親 :より多くの自由に使える収入を持つこの世代の日本人旅行者の68%は、旅行を贅沢費の中で2番目に優先する分野としてあげています(1番は外食)。81%がパートナーや配偶者と一緒に旅行をする予定で、子どもたちの心配をする必要がなくなったことで、以前よりも旅行の日程や行き先に柔軟性を持つことができ、個人的な興味を旅行計画に組み込むことができるようになっています。

 •引退後 :この世代は自分のペースで旅行を楽しみ、観光や自然、歴史的な名所を訪れることを好みます。引退後の人々は、平均よりも56%多く健康問題を旅行の際の障壁として挙げており、83%が国内旅行に限定する予定です。

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