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複業は買い手市場!地方企業にこそ複業採用をオススメしたい理由

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 日本では、2040年に労働力が1100万人不足すると予測されています。特に地方企業では、優秀な人材を確保する難しさが一層深刻化しているのではないでしょうか。

 そんな中、注目を集めているのが「複業市場」です。本記事では、地方企業が複業採用を積極的に検討すべき理由と、実際の成功事例をご紹介します。

地方企業が直面する3つの課題

 地方企業は現在大きく3つの課題を抱えており、意識的に競争力を上げなければならない状況に置かれています。

①市場が右肩上がりではない

 かつての高度経済成長期は、人口増加に伴い市場も自然に拡大しました。しかし、現在の日本では人口減少が続いており、マーケットの拡大を前提にした事業成長が期待できない状況です。

②大手や外資系企業との競争激化

 近年、大手小売企業や外資系スーパーなどが、地方に進出してきています。地方企業は、右肩上がりではないマーケットの中で地方進出してくる企業に対し、競争力をもって戦わなければならないという現状におかれているのです。

③過去の成功体験の見直しが必要

 地方企業の経営者は、高度経済成長期の右肩上がりのマーケットで戦っていた際の、成功哲学を持っています。そのため、その時代の勝ちパターンを今も続けていれば勝てると信じている方が多いように感じます。。しかし、当時の手法では現代の競争に勝つことが難しいため、過去の考え方を捨て、新たなアプローチを取る必要があるのです。

人材確保が難しい地方企業の現状

 競争力を上げなければならない状況下の中で大事になってくるのが、優秀な人材の確保です。しかし、大学進学のタイミングで地方を出る人が多い一方で、就職のタイミングで戻ってくる人は少数です。

 また、既存の賃金制度の枠内でしか採用ができないことも、課題として挙げられます。首都圏と地方では、給料の水準がかなり違います。物価も異なるので単純な比較はできませんが、給料だけを見ると首都圏の方が高いので、優秀な人材は地方に集まりにくいです。

 そして地方企業は給料を上げようと試みますが、そのためには過去に採用した方の給料も全て引き上げ、既存の賃金体系を変える必要があるため、かなり難しいのです。

なぜ地方企業こそ複業人材を活用すべきなのか?

 地方企業がなぜ優秀な正社員を採用することが困難なのか、という点について説明してきました。そのような地方企業にオススメしたいのが、複業採用です。

①複業は唯一の買い手市場

 複業を解禁する企業や複業希望者が増加しているのに対して、受け皿となる企業数が不足している現状があります。就活や転職市場は売り手市場である一方で、複業は唯一の買い手市場です。そのため、正社員ではなかなか優秀な人材を採用することが難しい企業にとって、大きなチャンスとなります。

②プロフェッショナル人材と一緒に仕事ができる

 当社が運営するマッチングプラットフォーム「複業クラウド」では、ノンコア業務よりもコア業務を中心とした案件の掲載が多いです。そのため、登録者もスキルのある優秀な人材が多く集まっています。競争力を高めたい、変革したいという地方企業にとって、複業人材というプロフェッショナルに頼ることが近道なのではないでしょうか。

③業務委託なので既存の賃金制度による制約がない

 前述しましたが、業務委託であれば既存の賃金体系を変える必要が無いため、すぐにでも採用を始められることがメリットとしてあります。

地方企業の複業人材活用事例

 経営課題の解決を目指し、複業クラウドを導入している地方企業の事例をお伝えします。複業クラウドでは営業や人事、事業開発など全職種での採用が可能なので、基本的にお困りごとは何でも解決することができます。今回は「新規事業」「採用」という2つの領域に絞って事例をご紹介します。

 A社では、専門的な知識とリソースが無いことから、新規事業を前に進めることができていないことが課題でした。

 具体的には、
・新サービスである研修事業を立ち上げたいが、研修領域に対する深い知識がない
・新規事業へ社内メンバーを大人数移動させることは、リスクとコストが高く不可能
というお悩みを抱えていました。

 そこでまずは「プロダクト開発」「新規事業企画」の2つのポジションにおいて5名採用しました。新規事業企画においては、研修事業のスペシャリストを採用し、業界知識の共有はもちろん、事業の壁打ちをお願いしていました。

 そして新規事業がグロースしていくにあたり、新たに「マーケター」「コンテンツ制作」「人材開発」の3つのポジションにおいて5名の方を採用しました。これにより、社内リソースを温存しながら新規事業を前進させることができました。

【人事】社長がやっていた採用業務を複業人材にお任せ

 B社はなかなか優秀な人材が採用できないという課題を抱えていました。

 具体的には、
・経営陣候補を採用したいが、優秀な人材を採用するノウハウが無い
・採用は社長が担当しており、経営業務に集中できていない
というお悩みを抱えていました。

 そこで複業クラウドを通して、人事のスペシャリストを2名採用しました。人事としての経験年数が10年以上、新卒採用や中途採用、フリーランスや業務委託の採用も幅広く経験を持っている方々です。

 そして、2名の複業人材が加わったことで、社長は最終面接だけを見るという、下記の図のような人事体制に変更することができました。

 ここでお伝えしたい事は、転職市場にはなかなかいないような優秀な人材でも、複業という働き方であれば関わってくれることが多いということです。即戦力のスペシャリストをすぐに採用できるという点が、複業採用の魅力です。

 いかがでしたでしょうか。複業市場は唯一の買い手市場です。このチャンスを活用し、新たな可能性を切り開いてみてはいかがでしょうか。

寄稿者 大林尚朝(おおばやし・なおとも) ㈱Another works代表取締役

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