長野県には3つのアルプスが雄大な景観を織りなしている。中央本線の岡谷から辰野で飯田線に乗り換え伊那谷を進んでいくと、東に南アルプス、西に中央アルプスが遠望できる。この雄大な景色は、大糸線から眺める北アルプスとは異なる。
そんな伊那谷に位置する駒ケ根市では四季折々の自然を楽しめる。春はサクラに代表される花。まず名刹、光前寺参道のスイセン(写真下)から始まる。「一目200万本」と称されるスイセンのじゅうたんが迎えてくれる。見ごろは例年3月下旬から4月中旬となる。
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続いて光前寺のしだれ桜。樹齢約200年の古木も花を咲かせる。4月初旬から中旬までで、開化期間中はライトアップされ、まさに「春宵一刻値千金」。そして4月中旬から下旬にかけては中沢地区の花桃が盛りを迎え、里全体がピンク色に染まるという。
ロープウェーで標高2612㍍千畳敷駅へ。観光客も安心して散策
夏。登山の季節でもあり、伊那谷有数の観光スポットである千畳敷カールには登山者や観光客でにぎわう。カールとは太古の昔に氷河が作った地形(圏谷)。駒ケ根高原からバスとロープウェイを乗り継いで標高2612㍍の日本一高い千畳敷駅へたどりつける。本格的な登山者だけではなく、一般の観光客も安心してカールの雄大な風景を目にすることができる。遊歩道散策だけなら1周45分程度だ。
ここは、数年に一度花を咲かせるコバイケイソウやシナノキンバイなど約150種の高山植物が色とりどりの花が咲き乱れる。
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9月末から11月まで長い紅葉の見ごろ、初雪舞えば三段紅葉も
紅葉の秋。太田切川沿いに約1000本の紅葉が色づく。そして初雪が降れば、山肌と紅葉の赤や朱に雪の白さが「三段紅葉」が見られるチャンスもある。駒ケ根高原からロープウェイ千畳敷駅まで標高差があり、気温差もあるため、「9月下旬から11月まで長い期間にわたっても紅葉が楽しめる。これを売り物にできれば」と駒ケ根の関係者は期待する。
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そして冬。自然のなかでスキーやスノーシューが楽しめる。また、落葉した木の枝にとまる鳥を見つけやすい季節でもあるので、バードウォッチングにも適しているという。
開湯30周年の早太郎温泉郷、アルカリ単純泉「美人の湯」
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早太郎温泉も紹介しよう。光前寺に伝わる霊犬早太郎にちなんで名づけれた。霊犬早太郎が人身御供の娘を怪物の老ヒヒを退治し、救ったという伝説が残っている。ここはアルカリ性単純泉で「美人の湯」として知られる。早太郎温泉郷、今年開湯30周年を迎え、7月には記念イベントも計画されている。(画像提供:駒ケ根市役所、駒ヶ根観光協会ライブラリー、)
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