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観光庁、ローカルガイドの持続的な確保と育成で方向性まとめる

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 観光庁は3月19日、有識者会議を設置し検討を進めてきた、「地方における観光コンテンツの充実とローカルガイドの持続的な確保・育成」についてのとりまとめを公表した。

 同会議は2024年5月に設置され、ローカルガイドの現状と課題、今後の方向性を整理。特に供給不足の解消に焦点を当て、ガイド人材の裾野拡大や需要に応じた確保の方策について議論を重ねた。

 今回のとりまとめでは、観光コンテンツを商品として磨き上げることを前提に、人材確保・育成(入口戦略)と市場活性化(出口戦略)をバランスよく進める必要性を指摘。地域を6つの類型にセグメント化し、それぞれの特徴や課題、必要な取組の方向性を整理した。

 例えば、東京や京都、沖縄といった国際的な観光地(セグメント①)では、インバウンド観光客が多く、ガイド需要が高まる一方で、専門的な知識を持つガイドが不足。地域のDMO(観光地域づくり法人)などが主体となり、ガイドの品質管理や育成、情報の集約・可視化に取り組むことが求められる。

 大阪や北海道、福岡のような国内外の観光客が多い観光地(セグメント②)では、訪日外国人観光客の増加に対応した多言語ガイドの育成が課題となる。

 一方、箱根や軽井沢、熱海といった国内観光が中心の観光地(セグメント③)では、日本人観光客向けの体験型コンテンツの拡充と、それに対応するガイドの確保が求められる。

 瀬戸内エリアや長崎、金沢などのポテンシャルのある観光地(セグメント④)では、国際的な知名度を高めるため、地域資源を活かしたストーリー性のあるガイドツアーの造成が重要となる。

 地方の温泉地や郊外のリゾート地といった国内市場向けの観光地(セグメント⑤)では、リピーターの獲得を目的に、地域住民が関与するガイド育成の仕組みを強化する必要がある。

 さらに、過疎地域や観光資源が未開発の地域(セグメント⑥)では、新たな観光需要の創出が課題となる。地域資源を発掘し、ローカルガイドがその魅力を伝えることで、観光地化を促進する取り組みが求められる。

 観光庁は、2025年度に本とりまとめを踏まえた地域実証事業を実施し、課題や取組方針を検証する。

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