浄土宗の名刹増上寺は、江戸の町の裏鬼門に位置する。そして、徳川家菩提寺として、二代将軍秀忠の墓所もある寺院だ。江戸幕府の鎮めの地である古刹は、荘厳にして、数多くの有名人の葬儀も行われている。
また、数年前、国内最大の観光商談会「ツーリズムエキスポ」のオープニングパーティーも増上寺の境内にて行われた。「ジャパンナイト」と称して、日本国内に乏しいナイトタイムエコノミーを具現化した。
神社仏閣は、欧米を中心とした訪日外国人に好まれるキラーコンテンツ。また、「非公開」「特別拝観」などの文言は、外国人だけでなく日本人にも人気である。
さて、浜松町駅から東京タワーを目指す観光客は、増上寺を経由して歩みを進める。寺院の中心である大殿から山門や大門(旧総門)は、浜松町駅まで一直線上にある。それは、風水を意図した江戸時代の都市開発を垣間見る。
郷に入っては、郷に従う
コロナ禍前、訪日外国人が、カートに乗り隊列を組んで疾走する姿を各地で見かけた。この日も山門の外に数台のカートが信号を待っていた。しかし、交通事故を起こしかねない傍若無人な走行が、毎日のようにニュース映像として流れていた。
アフターコロナ、また、外国人が乗るカートを見るようになった。まだまだ違反行為が見受けられる。オーバーツーリズムだけではなく、事故・事件につながりかねない。
「郷に入っては郷に従う」ということわざ、観光を明るい未来に導くには、このことが大切なことと感じる風景が目の前に広がっていた。
(2019.08.14.撮影)
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取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長