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元祖・青の洞窟~目黒川を青く染めて・東京都目黒区~ニッポンを歩こう017

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 目黒川は、春の桜の名所として有名となった。その桜を冬場に咲かそうと、2014年に食品会社とコラボしたイルミネーションが誕生した。それは、イタリアの「青の洞窟」をイメージした青いイルミネーションだ。春先の桃色とは違い、川面が青く染まり、桜の木々も青一色だ。イベントは、かなりの反響があり、テレビのニュースで報道されると、訪れる人々が倍増していった。

 しかし、このイベントは、殺到するお客様への対応が足りなかった。桜の時期の昼間でも来訪客と地元住民との軋轢や交通障害も数多く発生している。まして、夜ともなるとその可能性は増大する。平日は、何とか実施されたが、クリスマスに近づく週末は、主催者の予測を大きく上回った。その結果、会期途中で中止を余儀なくされた。

過去の失敗を生かし、未然に防ぐこと

 かつて、尼崎市で花火大会の際に大きな事故が発生した。警察や主催者などは、事故に対して過敏にならざるを得ない。事故が起きてからの対応よりも未然に防ぐ対応こそ、イベントを成功裏につなぐものだ。そのため、残念ながら目黒川の青の洞窟は、2015年の開催をもって、渋谷に舞台を移転した。たった2年間、花の命は短かった。

 今では、幻と言われるようになった目黒川・青の洞窟、これも未来に語り継がれるイベントである。昨今、オーバーツーリズムは、訪日外国人が起こすものと思われがちだ。しかし、すべてのお客様が、その当事者になりうることを忘れてはならない。

(2014.12.09.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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