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中秋の名月・指月会~月夜野嶽林寺・群馬県みなかみ町~ニッポンを歩こう020

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群馬県みなかみ町は、温泉地の数が豊富な町だ。そのゲートウェイは、上越新幹線の上毛高原駅。合併前「月夜野町」という名称だった。そして、名前通りの「月」のイベントが、2008年JRディスティネーションキャンペーン時に誕生した。

月夜野は、利根川が作り出した河岸段丘の中腹に位置する。その段丘の斜形地に曹洞宗の名刹、嶽林寺は庵を結んでいる。高台にある境内から、夜になると関東平野の灯りが手に取るように見える。そして、中秋の名月の時には、その真上に満月が輝く。

月は、いずこでも見える究極の観光コンテンツ

さて、ディスティネーションキャンペーンは、誘客拡大の絶好のチャンス。そのため、みなかみ町は新たなイベントを模索していた。かつて、月夜野はホタルで有名となった場所である。水のきれいな小川沿いに、時季になるとホタルが群生する。首都圏にも近く、日帰りツアーも数多く作られた。しかし、ホタル観賞のツアーは、他の地域でも増え一過性のものになった。

そして、その逆境を跳ね返すために、旧町名の月夜野の「月」にかけたイベント「指月会(しげつかい)」が始まった。雅楽や横笛の演奏、境内に手作りのキャンドルライトを配置する。居ながらにして、静寂の中の「華」を体感できる。観光協会と地元の方々が協力して創り上げた手作りイベントの成功事例だ。

昨今、ディスティネーションキャンペーンは巨額の費用がかかると、単独自治体での開催が難しくなってきている。しかし、キャンペーンを契機に「新たな気づき」「観光コンテンツの創造」にもつながっている。そう考えるとその開催意義は大きい。結果として、「指月会」のように、長く続くイベントを実施していることこそ、地方創生の一助にもなっている。

(2016.09.15.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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