東京商工リサーチが4月上旬に実施した企業向けアンケート調査によると、今春に「お花見」や「歓迎会・懇親会」を開催した企業の割合は23.8%にとどまり、コロナ禍前の2019年(51.8%)の水準には遠く及ばなかった。前年の29.1%からも5.2ポイント下がり、コロナ禍以降で最も低い数値となった。
調査は4月1日から8日にかけて、企業5,628社を対象にインターネットで実施された。
「お花見や歓迎会」を開催すると答えた企業のうち、18.5%はこれらの行事を労働時間に含めると回答した。 働き方の変化やプライベートとの区別が重視されるなか、心理的負担を和らげるために労働時間内に収める試みとみられるが、職場内での酒席に対する抵抗感は根強い。
開催率を都道府県別に見ると、トップは熊本県の36.5%だった。前年の39.0%からは低下したものの、全国で最も高かった。2025年は開催率が4割を超えた都道府県はひとつもなく、15%未満の県は4つに増え、地域間でも開催ムードの差が広がっている。
規模別では、大企業の開催率が32.9%だったのに対し、中小企業は23.1%にとどまり、企業規模による差も明らかになった。企業の慣習や職場文化の変容が、お花見や歓迎会といった行事にも影響を及ぼしている。