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北海道観光の基点、北のターミナル~札幌駅・札幌市~ニッポンを歩こう042

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航空業界が安売りチケットを販売する前の北海道は、ワイド周遊券を利用した鉄道旅行が主流だった。そのため、札幌駅は、大きな荷物を背負った旅行客の一大拠点であった。駅に隣接して、北海道土産を販売する地下街は、朝から晩までお客様がいっぱいであったと記憶する。

1990年に、駅は高架化された。かつての平屋のホームから北側に位置する。一方、当時の駅舎付近は、今やJRタワーが建ち、札幌市内のランドマークになっている。一等地である駅舎は、全国各地で高架化が進んでいる。商業施設を併設し利便性は高くなったが、「旅」の風情は失った。札幌駅も同様だ。

さて、青函トンネルが完成して、上野駅や大阪駅から長距離夜行列車が運行されるようになった。長い時間を共にした車両が地上駅にたどり着く。そこから、また、北海道各地へと特急列車が発車していく。これから生まれる旅の楽しみを予感させる駅の匂いだ。

札幌駅を基点に、大自然に触れる旅を

しかし、高架化された駅は、大都市一極集中の象徴。無機質で旅情を感じない。また、昨今、北海道内の高速道路網は、拡充されている。その結果、JR北海道の路線が、廃止される傾向にある。札幌圏の口は上昇しているが、周辺部は過疎化が進行する。そして、旅行商品も北海道を一周するツアーから札幌へのスケルトン型に移行している。

2038年以降に、北海道新幹線が札幌に延伸を予定している。かつて、鉄道旅行で憧れとなった北海道旅行は、航空機一辺倒の輸送手段から変わる可能性もある。北海道の持つ大自然を堪能するには、北海道全土を隈なく商品化していくことも必要だろう。現実的に鉄道旅行の復権は難しいだろう。しかし、車窓から見る大自然は心を豊かにする。

余談だが、札幌駅すべての方面の終電は、23時59分らしい。一度、その瞬間に立ち会ってみたいものだ。

(2018.10.06.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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