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禍時-MAGATOKI-~何も怖みはなく・横浜市~ニッポンを歩こう047

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ナイトタイムエコノミーへの取り組みが、各地で進められている。しかし、国内では、なかなか深みが伴わない。その理由は、日本人の生活習慣にあると考える。オリンピックなどの世界的なイベントが開催されると、外国人は24時間営業のように、夜を楽しんでいる。

海外都市は、レストランやアミューズメントスペースが終夜営業。一方、国内は、24時を回ると公共交通機関は終わりを迎える。そして、レストランなども営業を終える。

先駆者・横浜の取り組みは・・・

横浜市は、既に四半世紀前から、宿泊需要の獲得のために、夜の観光の活性化を目指してきた。ジャズに触れる体験や独自のカクテルを売り出し、宿泊に結びつけるコンテンツ開発を進めた。しかし、終電の時刻を迎えると、横浜市内から自宅などに帰ってしまう傾向が見えてきた。

かつて、『よこはまたそがれ』という歌謡曲が流行った。横浜の魅力は、禍時(まがとき)から始まる。禍時とは、「夕暮れになると魔物が出没し危険なことが起きる」という意味だ。子どもの頃、「夜になると人さらいがやってくるよ」と親に言われた記憶がある。しかし、危険と快楽は背中合わせと言うように、暮れゆく街に華やかな光が灯る姿は魅力的なものだ。特に海に面した観光コンテンツは、素晴らしさを増す。思わず、手の届くところに魔物がやってくるように感じてしまう。

安心して、夜の観光を楽しむことができる街づくりも大切だ。しかし、深夜から早朝の時間帯のコンテンツづくりこそ、宿泊観光客の囲い込みにもつながる。これからの観光開発に一番重要な取り組みだと考える。

(2015.06.15.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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