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曼荼羅の一刻(とき)~残して欲しいありのままの町・愛媛県大洲市~ニッポンを歩こう050

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四国には、現存12天守が数多く存在する。松山城と宇和島城という二つの天守の中間に昭和レトロの城下町、大洲市は位置する。昨今、木造で天守を復元する試みが全国的に流行っている。大洲城はその走り、2004年に木造復元された。また、城内の宿泊も企画されている。

大洲は、蛇行を繰り返す肱川沿いに開かれた盆地だ。全国に13か所で開催される鵜飼も行われている。平成の大合併で、瀬戸内海の河口、長浜までが大洲市となった。初冬の朝、大洲盆地で発生した霧が肱川を下り、白い霧を伴った冷たい強風が河口を吹き抜ける「肱川あらし」が発生することでも有名だ。

さて、大洲を代表する観光地に臥龍山荘(がりゅうさんそう)」という名園がある。大洲城から真南の直線上に場所である。庭園内の不老庵は、竹組天井に中秋の名月の夜に月光が映し出される。庵の欄干も月の出、月の入りの方角に一致するという神秘的な造りだ。

隣町である内子町は、電柱埋設を行ない、町中の空が広い。一方、大洲の中心街は電柱もそのまま。そのため、昭和の時代にタイムスリップする感覚となる。これまで『おはなはん』や『東京ラブストーリー』といった新旧のドラマロケ地にもなっている。

郷に入り、昭和レトロの町を守ることも・・・

ここ数年、市街地の古民家を再生し、宿泊施設に変貌させる取り組みが進んでいる。全国的に取り組みを展開する企業が作り上げているものだ。少しばかり、大洲に残された「昭和レトロ」とは趣きを異にする。地域には地域の守ってきた歴史が存在する。それ故、すべてが成功事例となるわけではない。金太郎飴のように、同一手法で地域振興を進めることは、いかがなものかと思う今日この頃である。

(2016.06.01.~02.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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