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ベンガラの赤、大正時代にタイムリープ~吹屋の町並み・岡山県高梁市~ニッポンを歩こう062

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小堀遠州の頼久寺庭園や現存12天守のひとつ備中松山城のある高梁市。その郊外に大正時代にタイムリープする「吹屋の町」がある。ここは銅山の繁栄とその副産物であるベンガラ染めによって財を成した地域だ。

特徴のある赤褐色の石州瓦とベンガラの赭(あかつち)を使ったカラフルな家並み。また、ここでは郵便局や公民館といった公共施設もすべて町屋風の造りである。その理由は、町の景観を損なわないようにするためだ。

町の奥からなだらかにカーブを描きながら下る道。その両側には、立派な構えの家々が約300mにわたって続く。そして、町の北側には、明治初期に建設された旧吹屋小学校の木造校舎が残されている。残念ながら、2012年に廃校となったが、吹屋の最盛期に建てられた校舎は往時の繁栄を偲ぶ遺産だ。

一方、町を離れると、近くには銅山とベンガラで莫大な富を手に入れた「広兼邸」という豪商の館がある。まるで、山城のように石垣の上に約800坪の邸宅が建っている。映画の『八つ墓村』のロケで使用された場所である。

いづれも、大正時代から昭和初期を物語る時代の生き証人でもある。後世に語りつづけて欲しい景観である。

(2015.12.17.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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