【New!トップページ新着コメント欄追加】 学び・つながる観光産業メディア

ミカン色は町の彩り、華やかに~伊予鉄道路面電車・松山市~ニッポンを歩こう084

コメント

路面電車の在り方が再評価されつつある。その中心が、LRT(Light Rail Transit)といった次世代型路面電車を活用したものだ。

松山市の伊予鉄道は1887年に開業、民営鉄道では日本で2番目の古さを誇る。(ちなみに一番古いものは、1885年開業の南海電気鉄道)道路の真ん中を道後温泉まで走る市内線の路面電車と郊外線と呼ばれる鉄道路線を有している。

そして、鉄道ファンの間では、ダイヤモンドクロッシングと呼ばれる場所がある。路面電車と電車線が直角に平面交差するのだ。その場所は、JR松山駅前の次の停留所「大手町駅」だ。市内メインストリートを交差する姿は、稀有な存在、全国屈指の光景である。また、地元住民の足となっており、松山城を取り巻くように路線はループ線を形成する。伊予鉄道ターミナル・松山市駅と道後温泉方面への枝線も走っており、利便性も高い。

都市の再計画、地球にやさしい電車

地方都市では、駅が町外れにあることが多い。松山市もJRの駅は、かつての町外れだ。その理由は、汽車の煤が町を汚くするとか、町を分断するとか。そして、駅が町外れに建設された後に、町の中心部への移動手段として私鉄の線路や路面電車が建設されるという具合だ。

明治期に将来の都市計画がきちんと設計されていたら、もっと利便性の高い街の整備がなされていたことだろう。道路行政が進みクルマ社会となり、路面電車は渋滞の温床とまで言われた。そのため、全国各地で廃止の浮名を流してきた。しかし、自動車の排気ガスの問題などから電車が見直されてきているのだ。

松山を走るミカン色の車両は、周囲の緑に映えて、市民の足として今日も活躍している。頼もしい限りだ。

(2021.04.16.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

/
/

会員登録をして記事にコメントをしてみましょう

おすすめ記事

/
/
/
/