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冬の京都は、彩り豊かに~東山花灯路・京都市~ニッポンを歩こう091

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真冬の極寒が抜ける3月中旬、京都東山一帯は道端に行灯を掲げる。夜の散策を愉しむイベント「東山・花灯路」が始まる。青蓮院から清水寺までの約4.6kmを巡る灯り、2002年から開宴された。

東京オリンピック・パラリンピックに際し、日本は夜の観光素材が乏しいと言われた。しかし、日本の観光先進地である京都では、既に夜のイベントが20年以上前から実施されている。

京都は、多くのお客さまは神社仏閣を拝観するために訪れる。日中に街中を歩いて観光する。しかし、神社仏閣は、夜になると門を閉ざすため、繁華街のみが潤いを増していた。

好循環のスパイラル

しかし、この花灯路は足下を照らす行灯だけでなく、さまざまな建造物にもライトアップを施す。そして、それを目当てに訪れるお客さまが年を追うごとに増えていった。また、周辺の食事場所や土産屋も営業時間を延ばして、売上アップをねらうようになった。

八坂の塔辺りの花灯路の様子、行き交う人々の愉し気だ
八坂の塔辺りの花灯路の様子、行き交う人々の愉し気だ

一方、次なるステップは、これまで非公開であった神社仏閣の夜間特別拝観へと発展していく。新たな観光コンテンツの出現が、人々を呼び込む好循環を生み出した。

まさに、京都が全国に先駆けたテストパターンとなり、トップランナーに成長していく。そのため、JRディティネーションキャンペーンも京都から始まったのだ。そして、夏と冬は閑古鳥が鳴くと言われた京都観光も、今では年中無休の観光地に変換していった。

花灯路は、2021年に20回目を節目として、一定の役目を果たしたとして、一旦終了を迎えた。宿泊税を高額に設定するといった新たなことも行なわれるようだ。しかし、京都市全体の面としてのサービス機能を充実させてこそ、観光のトップランナーの役目である。人々をアッと言わせる次なる一手を期待したい。

(2015.03.08.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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