日本旅行作家協会と日本旅行業協会(JATA)は7月2日、第3回「兼高かおる賞」の表彰式を東京都千代田区の全日通霞が関ビルディングで開いた。俳優・タレントのサヘル・ローズさんが受賞。サヘルさんは、「世界中を旅する中、国籍により自由に外に出たり、海外旅行ができない場を目にしている。現代社会において自由がありつつも、不自由な地域もある。難民キャンプや難民居住地にも訪れているが、今置かれている現状や旅の記録を発信し、賞に恥じないよう歩み方をしていきたい」と語った。

兼高かおる賞は、世界150か国以上を取材し、テレビ番組「兼高かおる世界の旅」などで、海外旅行の素晴らしさを伝え、海外旅行ブームをけん引した同氏の業績を称えるとともに、遺志を受け継ぎ、その名が後世にまで語り継がれてゆくことを願い2022年に創設された。同氏は、日本旅行作家協会で創立会長斎藤茂太氏のあとを継ぎ2代目会長、さらに名誉会長として、会員に指針を与えてきたが、2019年1月に逝去。選考基準は、兼高氏のイメージに重なる人柄、業績を主眼に選定されている。
同賞の実施に当たっては、日本旅行作家協会とJATAが共催するほか、兼高かおる基金(長内恵子代表理事)が後援。選考は、日本旅行作家協会内の兼高かおる賞実行委員会(神崎公一委員長 ※ツーリズムメディアサービス編集長)が行っている。
サヘルさんはイラン出身。7歳までの児童養護施設で過ごし、8歳で来日後、舞台「恭しき娼婦」で主演を演じ、主演映画「冷たい床」でミラノ国際映画祭をはじめ、さまざまな映画祭で賞を受賞している。近年は、映画監督などマルチに活躍し、表現者として活動の幅を広げている。

同賞は、第1回がヤマザキ・マリ氏(漫画家・随筆家、東京造形大学客員教授)、第2回は山口智子さん(俳優)が受賞している。
取材 ツーリズムメディアサービス編集部