国土交通省と文部科学省、農林水産省は7月30日、歴史まちづくり計画の認定で、認定都市数が100都市となったことを発表した。今回は、新たに北海道小樽市と奈良県宇陀市の歴史まちづくり計画を認定した。
今回は、小樽市と宇陀市の歴史まちづくり計画について、歴史まちづくり法に基づき、主務大臣（文部科学大臣、農林水産大臣、国土交通大臣）が認定した。平成20年に歴史まちづくり法が施行されて以降、今回の認定により認定都市数は100都市に。また、小樽市の認定は、北海道内で初の認定となった。
歴史まちづくりとは
全国各地には、城や神社仏閣とその周辺の町家や武家屋敷等から成る市街地と、祭礼行事、民俗芸能、昔ながらの生業等の人々の伝統的な営みや活動とが一体となって、地域の個性とも言える歴史的な情緒や風情を醸し出すまちが多くある。 これらを「歴史的風致」として地域固有の資産であると捉え、関係省庁が連携し、地域の 活性化や歴史・伝統文化の保存・継承について、ハード・ソフト両面から支援している。
小樽市歴史的風致維持向上計画
小樽市では、明治から昭和初期に建てられた建造物とともに、ニシン漁にまつわる風習を保存した「忍おしょ路ろ鰊にしん漁ぎょ撈ろうの行事」、ニシンを求め新潟県から移住してきた人々が伝えた「高たか島しま越えち後ご盆ぼん踊おどりの行事」、港と鉄道の結びつきによる物流の拠点としての産業の営みや運河保存運動を契機とするまちづくり、初夏から初秋にかけて行われる一連のお祭りでの神み輿こし渡と御ぎょや神かぐ楽ら、景勝地での花見やスキー、招しょう魂こん祭さいなどの行楽・慰霊の行事など、地域固有の魅力的な歴史的風致が形成されている。
同計画では、歴史的建造物の保存・活用に関する事業、歴史的活動の継承に関する事業、歴史的市街地の整備に関する事業、歴史的風致の周知と交流促進に関する事業を位置付け、歴史的風致の維持及び向上を図ることを目的としている。
宇陀市歴史的風致維持向上計画
宇陀市では、城下町から商家町に発展した国選定「宇陀市松山伝統的建造物群保存地区」を中心として開催される「参会さんかい」「 寒かん施せ行ぎょう」「 初市はついち」等の伝統行事、中世の社殿である国宝「宇う
太だ水分みくまり神社本じんじゃほん殿でん」を中心として開催される「古市場の盆踊り」「例大祭」等の伝統行事、山岳修行の場として始まり近世に女人高野として参詣者で賑わった国宝「室むろ生う寺じ本ほん堂どう」や周辺の集落で行われる「龍りゅう穴けつ神じん社じゃ秋あき祭まつり」「青葉まつり」等の伝統行事のほか、記紀・万葉ゆかりの地に伝わる「神じん武むさん」や旧伊勢本街道の「道つくり」等、地域固有の魅
力的な歴史的風致が形成されている。
同計画では、歴史的建造物の保存・活用に関する事業、歴史的活動の継承に関する事業、歴史的市街地の整備に関する事業、歴史的風致の周知と交流促進に関する事業を位置付け、歴史的風致の維持及び向上を図ることを目的としている。
