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キャニオニングの聖地、秋景色~愛媛県松野町・滑床渓谷~ニッポンを歩こう172

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滑床渓谷(なめとこ)は、愛媛県宇和島市から北宇和郡松野町にまたがる渓谷である。四万十川支流の目黒川最上流12kmに及ぶ県下有数の大渓谷だ。

その特徴は、侵食によって形成された花崗岩の滑らかな河床。「千畳敷」や「出合滑」という広大な岩肌に清流が流れる美しい光景に出会う。そして、新緑や紅葉が素晴らしく、多くの観光客が訪れる。しかし、昨今は、夏場のキャニオニングが有名となった。涼を求める家族連れや水とたわむれる体験を好む若者たちの人気となっている。

また、「雪輪の滝」は落差80mの巨大な一枚岩の斜面を流れる瀑布だ。滑床の象徴であり「日本の滝100選」にも指定されている。

行政区分の大半は、宇和島市に位置する。しかし、宇和島市中心部からの道路がない。そのため、松野町が渓谷への出入り口となる不思議な場所でもある。

四万十川は高知県内に端を発すると思われがちだ。しかし、松野町や鬼北町にも水源を持つ大河である。県境ということもあり、予土線に依存する交通は、昨今、ダイヤも2時間間隔となり、利便性には欠ける。それ故、予土線沿線の観光素材は、未開発の場合が少なくない。中長期的な観光開発と鉄道網の維持は、未来に向けた大切な取り組みである。地域行政とJR四国との密なる協議こそ、重要なこととなろう。

(2023.11.14.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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