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気仙沼大島で伝統野菜復活~70代の挑戦~

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3月28日、宮城県気仙沼市の離島・大島で、在来種「大島かぶ」の普及と継承に取り組む活動を本格化する。担い手は気仙沼大島地場産品出荷販売組合のまかない班のみなさん。高齢化で作り手が減る中、思考錯誤しながら約150年続く地域の味を未来につなぐ挑戦だ。

失われかけた島の味を守る決意

大島かぶは、島で長く受け継がれてきた在来種だが、近年は自家消費が中心で担い手の減少が課題となっていた。まかない班にみなさんは「自分たちが育った頃の味をなくしたくない」という思いから、約3年前に仲間とともに動き出した。子どもの頃は苦手だったという大島かぶも、大人になるにつれて懐かしさへと変わったという。ふとした風景や香りでよみがえる記憶を、思い出のまま終わらせない。
その感覚が、みなさんの原動力となっている。

黄色い果肉とやさしい甘みが特徴

大島かぶは名前に反して、切ると中は鮮やかな黄色をしている。味わいはさつまいものようにやさしい甘みが広がり、栄養価も高い。かつては飢饉の際に島民を支えたとも言われ、暮らしに根ざした食材として親しまれてきた。こうした背景も含め、大島かぶは単なる野菜ではなく、地域の歴史そのものといえる存在だ。

加工品開発とマルシェで広がる魅力

二人は栽培にとどまらず、食べ方の提案にも力を入れている。もち米やあわ、ササゲ、甘く煮た金時豆とともに炊き上げる「かぶふかし」や、家庭でも手軽に楽しめる「かぶご飯キット」を開発し、毎週のマルシェで販売している。観光客からの人気も高く、地域内外に大島かぶの魅力が広がりつつある。

人と想いに触れる島の旅へ

有志で運営する大島グリーンマルシェには、同じように強い思いを持った出店者が集まる。訪れる人は買い物だけでなく、作り手の声に触れることで、その土地の背景や物語を体感できる。気仙沼大島では今、食と記憶をつなぐ小さな挑戦が続いている。島を訪れることで、その物語の一端に触れることができるはずだ。



寄稿者 熊谷綾(くまがい・あや)気仙沼DMC KNEWS

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