帝国データバンクが4月4日に公表した調査によると、2025年度(4-3月)のタクシー業の倒産は36件、休廃業・解散は66件となり、合計102件に達した。市場からの退出が100件を超えるのは2000年度以降で初めてとなる。
休廃業・解散は前年度の40件から1.6倍に増え、過去最多を更新した。燃料費の高騰やドライバー不足が重なり、事業継続を断念する動きが広がっている。
一方で、訪日客の増加や配車アプリの普及により、観光地を中心にタクシー需要は伸びている。空港や駅からの定額送迎、貸切利用など単価の高い利用も増え、需要環境自体は改善している。
しかし、ドライバー不足により車両の稼働率が上がらず、需要を取り込みきれない状況が続く。深夜帯や観光客の中長距離利用を逃すケースも多く、売上拡大につながりにくい構造となっている。
加えて、LPガスなど燃料費の上昇や人件費の増加、キャッシュレス決済手数料の負担が利益を圧迫。増収でも減益や赤字に陥る事業者が目立ち、2024年度は赤字40・1%、減益25・1%と業績悪化が6割を超えた。
大手が待遇改善で人材確保を進める一方、中小・零細事業者は採用や定着が進まず、格差が拡大している。訪日客需要が拡大する中でも供給不足が続き、観光インフラとしての課題が浮き彫りとなっている。