東京山側DMCは、4月8日、今回は新たな体験プログラムの造成を目指し、海側のフィールドである神奈川県・真鶴および湯河原エリアの視察を実施しました。
今回の視察テーマは「海と山の風土を活かした開発・視察プログラム 〜海×火山×温泉×漁村文化を体感するガストロノミー探究〜」です。
案内をしていただいたのは、現地で「合同会社いとへん」を営み、現役の漁師(天恵丸 船長)でもある佐々木幸壽さんです。


横浜出身で東京でのホワイトカラー勤務経験も持つ佐々木さんは、約20年前にこの地に移住して漁師となり、独自の視点で地域の魅力を発信し続けています。
■ 目に見えない自然のダイナミズムを体感する「海」のプログラム
午前中は拠点である「Root House」でレクチャーを受けた後、港へ移動し「天恵丸」で福浦沖へと出船しました。このエリアは、海岸からすぐ目の前に相模湾の深海が広がり、3つのプレートがぶつかり合うことで生まれた世界的にも非常に珍しい地形を持っています。船上では実際の釣り体験を通じ、水深数千メートルの「見えない海底地形」や、海上から眺める伊豆半島や箱根の山々の成り立ちについて学びました。

私たちが普段のプログラムで大切にしている「目に見えないものを、自分自身で感じ取れる感性を養う」という教育コンセプトが、海というフィールドでも見事に実現できることを確信しました。
釣りの後は拠点に戻り、自ら釣った魚を捌いて食す「ガストロノミー体験」を実施。自分たちで得た命をいただく食育のプロセスは、子どもたちにとって愛着や深い学びをもたらす一生の思い出になるはずです。

■ 海と山を繋ぎ、地域を俯瞰する視点
昼食後は山側へと移動し、地域資源を活用した「オリーブガーデン」や、相模湾・伊豆半島などを一望できる「さつきの郷」を視察しました。


午前中に海上から見上げていた地形を、今度は高台から俯瞰することで、海と森がどのように繋がり、この土地の風土を育んできたのかを総合的に理解することができます。
海と山、そして火山地形が凝縮された環境こそが、このエリアの最大のポテンシャルです。
■ 「よそ者」が開く地域創生と次世代への継承
視察後のディスカッションでは、地域創生のリアルな文脈についても深く意見が交わされました。佐々木さんは、自身が移住者たる「よそ者」であることを受け入れつつ、真鶴と湯河原という行政の境界線やしがらみに縛られず、世界に向けて開かれた場所づくりを行っています。
その根底には、「子どもたちの世代に何か面白いものを残してあげたい」という強い思いがあります。
地域創生において、既存の枠組みや顔色を伺いすぎて同質化するのではなく、民間(DMC)としての機動力や客観的な視点を持ち、時には「よそ者」としての役割を全うしながら価値ある教育・体験を提供していくことの重要性を参加者全員で再確認しました。
■ 今後のプログラム造成に向けて
今回の視察を通じて、深海魚釣りやサメ釣り体験、さらには急峻な地形を活かした「海から高台への津波避難タイムトライアル(防災教育)」など、エンターテインメント性と社会的意義を兼ね備えた高付加価値なプログラムのアイデアが次々と生まれました。
東京山側DMCは、今回の視察で得た強力なパートナーシップと地域のリアルな文脈を掛け合わせ、真鶴・湯河原エリアでしか体験できない、教育的かつインパクトのあるプログラムづくりを進めていきます。
今後の展開にぜひご期待ください。
投稿者:東京山側DMC_地域創生マチヅクリ事業部_西川佳克(にしかわ・よしかつ)