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「温泉地」徒然なるままに私の想いを綴ります

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はじめまして…

 私は、長く行政の立場で「温泉法」に関わってきましたが、法律はあくまで「資源保護」、「災害防止」、「公共利用の適正化」を規程しており、「観光的利用」について規程はありません。そこで、「温泉」「温泉地」に絞った話題を提供させていただきます。

 ただし、「国民の保健休養に適する温泉地の指定」という珍しい規程が存在しています。こちらは、またどこかでご紹介できればと思います。

 前置きが長くなりましたが、温泉法の運用が長く続いた後、温泉をより前向きに捉え、温泉地と関係を創っていこうということで、2015年に総勢10名で温泉地保護利用推進室が設置されました。手探り状態でスタートした温泉地保護利用推進室ですが、予算も権限も無いなかで、まずは外部と繋がりを持つことを目標にしました。

 幸いなことに「温泉」は、国民の認知度が100%と言ってもいいほどのものですし、基本的に「嫌い」という人がいません。また「温泉地」は全国で3,000カ所近くあり、観光、保養など温泉関係で事業をしている方は数え切れないほどいらっしゃいます。そのため、温泉地関係者が少しでもいらっしゃる場には、とにかく顔を出すことからはじめました。そのようななかでできあがってきたプロジェクトや「新・湯治」については別途ご紹介しますが、「全国温泉地サミット」をご紹介します。

第1章 全国温泉地サミット

 温泉地関係者にお会いするなかで、温泉地のための温泉地関係者による「温泉地関係者が集まる場」というのが無いことに気づきました。観光的面での表彰や、医療関係の学会、資格等を通じた集まりなどは多数あるのですが、これだけ温泉地に関わる人が多いにも関わらず行政関係者が集まる場はありませんでした(市長会の元に全国温泉所在都市協議会がありますが、町村がカバーされていない状態でした)

 そこで、温泉地関係者が一堂に会し、それぞれの課題を共有し、お客さんと取り合いをするのでなく、一緒に課題解決をしていこうということで第1回全国温泉地サミットを「温泉地の現在(いま)、そして未来へ」として開催し、多くの首長、温泉地関係者にご参加いただきました。開催準備期間が実質2ヶ月もないなかでしたが、多くの首長が一同に会したことは温泉地・温泉への課題感をお持ちの方が多かったからだと思っています。

 今後、不定期的にこういった少し固めの話を発信できればと思います。どうぞよろしくお願いします。

(参考)

温泉法:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000125

温泉地保護利用推進室の設置について:https://www.env.go.jp/press/101760.html

全国温泉地サミット:https://www.env.go.jp/nature/onsen/summit/index.html

寄稿者 楠本浩史(くすもと・ひろし) 環境省関東地方環境事務所

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