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新・歴食ツーリズム!

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 新しい食のジャンル「歴食」をご存知ですか?

 「歴食」とは、日本各地の様々な歴史を背景にした食べ物。つまり、「食」の視点から歴史を満喫できるのが「歴食」の醍醐味です。史料や文献に基づいて再現された料理はもちろん、歴史に思いをはせて創作されたものも、定義に合致していれば、それは「歴食」です。

歴史の数ほど、歴食あり!

 早速、全国津々浦々の歴食メニューをご紹介しましょう。

① 大内御膳/山口県山口市

 室町幕府第十代将軍・足利義稙が、守護大名として西国で大勢力を誇っていた大内義興を訪問した際に、義興は中世最大の宴を催して歓待。この記録を元に、現代によみがえらせたのが「大内御膳」です。

② 益田氏の饗応料理/島根県益田市

 当時の領主益田藤兼・元祥父子が毛利元就の本拠吉田郡山城を訪れ、膨大な贈り物と豪華な料理によって実力を印象づけました。古文書を元に料理や400年前の酒、調味料「煎り酒」を再現しました。

③ 壬生お殿様・お姫様料理/栃木県壬生町

 近年発見された壬生藩4代目藩主「鳥居忠燾(ただてる)」の「御献立帳」。その歴史に裏付けされた献立をもとに現代風に新たに考案されたのが「壬生お殿様料理・壬生お姫様料理」です。

④ 土器ドキ最中/新潟県十日町市

 十日町市の笹山遺跡から出土した火焔型土器群は、1999年(平成11年)に国宝指定。市のビジネスコンテスト入選「火焔型土器のお菓子」という高校生のアイデアを基に最中を作りました。

⑤ 万葉食/静岡県浜松市

 万葉集には植物や動物が詠まれた歌が多く、浜北ゆかり歌も4首あります。関連資料などから古代の食に注目し、材料や調理方法を研究し「万葉食 貴族の御膳」が完成。当時の味の再現に努めています。

⑥ 古代妄想スウィーツ/奈良県奈良市

 ヤマト政権の勢力拡大と共に広まったとされる前方後円墳をケーキで表現しました。内部には勾玉、土器片などを埋蔵。発掘スコップ型スプーンで発掘しながら味わえば、古代ロマンを感じられるかも!

歴食の誕生秘話

 「歴食」を考え出したのは「大内御膳」を企画する「歴食JAPAN」。全国各地の歴食団体と力を合わせて、点を面にしたプロモーションを行おうと、まずは各地の歴食団体に会いに(食べに)行きました。すると、お殿様は違っても、歴食の課題はみんな同じ。「大河ドラマ」で脚光を浴びた翌年からはプロモーションに苦戦。一方で「故郷への誇り醸成」や「次世代への歴史継承」という情熱も一致し、意気投合しました。まずは、「人に会いに行く」、これが新ジャンル「歴食」の誕生であり、歴食ツーリズムの幕開けでした。

歴食ツーリズムの第一人者辰巳琢郎さん、歴食のアドバイザーに就任!

 全国各地の歴食団体に会いに行くと、どこに行っても先客がありました。辰巳琢郎さんです。『くいしん坊!万才』全国の郷土料理、名物料理、特産品を食べ歩き、その土地の歴史や文化を紹介してきた辰巳さんですから納得です。そこで、歴食ツーリズムの第一人者の辰巳さんにアドバイザーに就任していただき、現在では全国各地で歴食活動に励む人々を応援してくださっています。

お城E X P Oに歴食が集結!歴食アドバイザー辰巳琢郎さんも登壇!

 9月16日(土)17日(日)18日(月・祝)の三日間、兵庫県姫路市「アクリアひめじ」にて、「特別版お城EXPO in 姫路」が開催されます。姫路城世界遺産登録30周年に華を添えるビッグイベントに、「歴食JAPAN」も参陣!上記の歴食6団体が出展します。さらに、我らが「歴食アドバイザー」の俳優・辰巳琢郎さんも「歴食は、究極の地域愛」と題して、17日(日)午後に登壇します!

※参加には「厳選プログラム指定券」「ワンデイ入城券」が必要となりますので、購入方法など詳しくは「お城EXPO姫路」公式サイトにてご確認ください。

【厳選プログラム募集】

辰巳琢郎さんが「歴食」を語る!

演題:「歴食は、究極の地域愛」

歴食とは「歴史的ストーリーを有した価値ある食」。『くいしん坊!万才』で、食を通じて各地の文化や風土を紹介してきた辰巳琢郎さんが、歴史を食でひも解きます。

日時:9月17日(日)12:30~14:00

会場:アクリアひめじ2F中ホール

※参加には「入城券」とは別途、「ワンデイ入城券」もしくは「入城券+聴講希望の『厳選プログラム指定券』が必要となります。

詳細:公式ホームページよりご確認ください。 https://shiroexpo-himeji.jp

歴食ツーリズムの醍醐味

 歴食を現地で食べると、歴食ならではの余韻に浸ることができます。

 ご当地の歴史を知るワクワク感、タイムスリップしてお殿様気分になれるドキドキ感、そして何よりも味わい深いのは、歴食に従事する人たちの人間味です。旅の醍醐味は、やっぱり「人に会いに行く」ことですね。

(これまでの寄稿は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=12

寄稿者 杉本理恵子(すぎもと・りえこ)えすぷらん代表

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