アフターコロナのにぎわい創りのために
ゆこゆこグループは2000年の創業以来、お客様を全国の温泉地・宿泊施設にお送りすることで稼働率を上げ、にぎわいを創出してきました。当社は今後も変わらず、温泉旅の魅力を発信していきます。
近年、感染症対策における行動制限の緩和を受けて観光地にも客足が戻りつつある一方で、地域における人手不足の深刻化が浮き彫りになりました。
新型コロナウィルス感染症拡大をきっかけに、全国の宿泊施設が休業を余儀なくされた中で、従業員の離職も加速していきました。厚生労働省が発表した資料によると、2021年上半期の国内全産業の中で「宿泊業・飲食業」の離職率は15.6%と最も高く、全産業平均の離職率7.56%と比べ、2倍以上となっています。このデータからも宿泊業における人手不足の深刻さがわかります。
そして現在、観光地に人が戻りつつある今、人手不足が故に「空室はあるのに従業員がいなくて予約を受けられない」といった宿泊施設の声も聞かれるようになりました。
人材支援サービス「ゆくゆく」とは
「ゆくゆく」は、人手不足に悩む地域と、都市部からの「お試し移住」で知らない土地での暮らしと仕事を体験してみたい若者をマッチングし、地域の関係人口を創出するサービスです。
受け入れ先の施設は、「お試し移住」を希望する若者に寮などの住まいを用意し、水道光熱費や食費などの負担を軽減します。希望者は2週間から6カ月間、その施設で仕事をしながら、従来型移住でも2拠点生活でもない新たなスタイルで、移住先の人々との交流やその地域でしか楽しめない余暇の過ごし方を体験することもできます。https://iju.yukoyuko.net/
<現在お試し移住者募集中の宿泊施設の一例>
■鹿児島県・霧島温泉郷のお宿:
仲居さんやフロント業務スタッフを募集中。お仕事のあとは名物の24時間源泉かけ流しの温泉に入れる。旅館の敷地内に住めるので、風情のある景色にも癒やされるお試し移住先。
■石川県・粟津温泉のお宿:
仲居さんから期間限定のスタッフまで幅広く募集中。開湯から1300年を超える北陸最古の秘湯のお宿で、こちらもお仕事のあとは温泉に入浴可。旅館でありながら予約受付のお仕事ならリモートワークもできる斬新なお試し移住先。※実際に他県に移住して予約受付をしている人もいます。
■静岡県・熱川温泉のお宿:
フロント業務から期間限定のスタッフまで幅広く募集中。お試し移住中ならホテルの客室に住める。サーフポイントが目の前にあるのでサーフィンをしてからお仕事するという夢のような働き方ができる。
他にもまだまだございますので、ご興味ある方はぜひ「ゆくゆく」サイトをのぞいてみてください。
あるお宿さんの切実な声
7月のある日、長野県のお宿に「ゆくゆく」のご提案をする場に同席させていただき、お宿の課題感を聞かせていただきました。
お宿さんの情報を少しお伝えすると、長野駅から電車でも車でも行きやすい温泉地に立地しています。私も何度か宿泊させていただいたことがありますが、歴史ある温泉地に佇む、家庭的な雰囲気のお宿です。
話によると、
・今は夏休みなのでバイトの応募は増えた。採用数としては十分だが、シフトの希望の時間帯が重なってしまっている。
・バイトの方は数十名いるが、みんな通い。チェックアウト~チェックインの時間帯で中抜けをする方が多く、2往復分の交通費が負担となってしまう。そこを解消しようとすると午前だけ・午後だけのシフトになってしまう。
・仲居さんが常時不足している。
・ピークとなる秋に向けて、人手が安定する見込みがない。
これらは、旅館あるあるなのではないでしょうか。
この温泉地では例年、9月下旬から10月いっぱいごろまで松茸のシーズンでいわゆるかき入れ時となるのですが、この時期の受け入れ体制ができていないというのはかなり深刻な問題です。
このお宿さんは、ちょうど住み込みの派遣の方が決まったばかりということで即決とはなりませんでしたが、「ゆくゆく」はこのようなお宿さんの課題解決を目指しています。
深刻な料理人不足にも貢献
先月、当社は飲食業に特化した⼈材サービスを展開するクックビズと業務提携し、「食×人材支援」領域において「ゆくゆく」とクックビズの連携を開始しました。これにより、クックビズが保有する全国の(主に料理人を含む)求職者データベースから地方での勤務を希望する方に対して、「ゆくゆく」が保有する宿泊施設の求人を紹介することが可能となり、採用の困難な料理人不足の解決に貢献します。
「ゆくゆく」が目指す今後
「ゆくゆく」は今後、地域が抱える人材関連のさまざまな課題に対して、採用支援だけではなく、教育やシステム運用、ロボットなどのサービスをパートナーとの連携によって提供し、人手不足の解決に貢献します。
また、当社は人材支援サービス「ゆくゆく」、宿泊予約サービス「ゆこゆこ」を通じて、アフターコロナの地域のにぎわい復活を後押しします。
寄稿者 高野亜理沙(たかの・ありさ)ゆこゆこホールディングス㈱広報/温泉ソムリエ