JTBとひろぎんホールディングスは10月14日、広島エリアの持続的な発展と地域課題の解決に向け、「街づくりと観光振興の推進に関する連携協定書」を締結した。両社の地域ネットワークや金融機能、観光開発のノウハウを組み合わせ、観光誘客や地域コンテンツ開発、交流人口・関係人口の拡大などに取り組む。第一弾として、2028年秋に瀬戸内エリアで高付加価値クルーズの実証実験を行う。
観光消費や滞在時間の拡大が課題
広島県と瀬戸内エリアは、自然や歴史文化、食など多様な観光資源を持つ一方、観光消費額の拡大や滞在時間の延伸、地域内周遊の促進などが課題となっている。
ひろぎんHDは、街づくりや観光振興を地域経済の持続的成長に向けた重要テーマとして位置付け、投融資やコンサルティングを通じて地域事業者を支援してきた。JTBは「交流創造事業」を事業ドメインとし、全国各地で観光開発や地域活性化に取り組んでいる。
今回の協定により、ひろぎんグループが持つ地域ネットワークや金融機能と、JTBの観光関連ネットワーク、観光開発ノウハウを掛け合わせ、地域資源の磨き上げから誘客、消費拡大までを一体的に進める。
地域資源の商品化や新事業創出で連携
連携分野は、地域への観光誘客と観光消費の拡大、交流拠点づくり、地域資源を活用した観光コンテンツ・観光商品の開発、地域事業者との共創による新たな事業創出など。
資料の連携イメージでは、ひろぎんHD側が投融資や地域内でのアレンジメント、自治体・観光事業者とのネットワークを担い、JTB側がコンテンツ開発・プロデュース力、観光データ・人流などの分析力、グローバルなネットワークや情報発信力を生かす形としている。金融と観光という異なる強みを組み合わせることで、観光商品を造成するだけでなく、地域事業者の参画や新規事業の創出まで視野に入れた取り組みとする。
2028年秋、瀬戸内でクルーズ事業を実証
協定の第一弾として、2028年秋に瀬戸内の多島美や島しょ部の地域資源を活用したクルーズ事業の実証実験を実施する。
実証では、瀬戸内を周遊しながら、これまで個人旅行では訪れることが難しかった島々や、まだ広く知られていない地域の魅力に触れられる新たなクルージング体験を検討する。非日常性の高い空間価値を組み合わせ、滞在満足度の向上につなげる考えだ。さらに、クルーズによる地域への経済効果なども検証し、新たな高付加価値旅行商品の造成を検討する。広島ならではの観光需要の創出を目指し、将来的な事業化も視野に入れる。
金融と観光で地域経済の循環を
両社は今後、観光だけでなく、エリア開発や街づくり、コンテンツ開発、地域事業創出など幅広い分野で連携を深める。地域資源の価値を高めながら、自治体や地域事業者との共創を広げ、新たな地域経済循環の創出につなげる方針だ。