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高齢者とペット、その「最適な距離」 外出や旅を支える存在にも

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犬と暮らす高齢者が認知症になるリスクが低いという統計が出て、話題になっています。

これは、ここ数年その成果が問われてきた「アニマルセラピー」(2026年 東京都健康長寿医療センター)の成果妥当性を示すことになったと言えそうです。こればかりは、ロボットやAIが発達してコミュニケーションが深化している一方で、やはり「生身」のペットを皆さん求めています。血が通う関係とは、正にこのことでしょうか。認知症になりやすいきっかけは、社会的な断絶と孤独なのは、すでに知られ始めています。ペットはそれを回避する存在として格好だと言えそうです。

犬でも、猫でも、それ以外のペットでも、ここ最近の傾向として「家族の一員」の意味で自宅へ迎え入れる方が増えています。確かに高齢者を支える存在にもなりえますが、その一方で難しさもあります。例えばペットの衛生管理や健康管理などは、高齢者の体力が落ちていく一方であると、単に存在が負担でしかない場合もあります。また、ペットに対して家族同様に接するせいか、ペットが不在になってしまうと「ペットロス」(ペット不在による喪失感)も待っています。確かにこれまで飼い主であった高齢者にとってのつらさは想像に難くないですし、傍目には最後まで分からないとも言えそうです。

高齢者にとってペットの存在が頼もしいのは、自宅から徘徊してしまう認知症の傾向が現れたときでしょうか。ペットにGPSを付けておくなどの工夫があると、仮に「行方不明」になった時も、ペットに励まされながら救助を待つということも可能です。もちろん、犬であれば道案内は得意中の得意です。最近は特に盲導犬の受け入れが社会で更に進んでいるのも朗報です。また、電車など公共交通機関では、一緒に乗る方が本当に増えています。

観光の視点で考えると、ペットは高齢者が外出や旅行に出かけるきっかけにもなり得ます。ペットと一緒に利用しやすい交通機関や宿泊施設、観光施設などの環境が整えば、年齢を重ねても旅を楽しむ選択肢は広がります。高齢者とペットがともに安心して移動できる環境づくりは、これからの観光にとっても一つのテーマになりそうです。

犬でなくとも言えますが、周囲への依存が強くなると、やはり自分を見失う認知症のきっかけになり得ます。ペットとの「最適な距離感」が長年の付き合いの中から生まれるのでしょう。

寄稿者 猪股透人(いのまた・はやと)介護サービス事業者 内部監査

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