GotoAIは10月18日、Claude・ChatGPTのサブスクリプションで使えるデスクトップAIエージェント「Kari(かり)」に、手元のCSVやExcelの分析を自動化する機能を追加した。バージョン0.7.3から利用できる。生データの読み込みから結合、集計、チャート作成、示唆出しまでを自動化し、処理はPythonスクリプトとして残るため検証と再実行が可能だ。
データ分析の「3つの壁」に対応
ビジネスにおけるデータ分析は、データから意思決定の材料を得ることが目的だが、実際には3つの壁があるという。列の型付けや表記ゆれの吸収、複数ファイルの結合など準備に多くの時間がかかること、仮説を変えるたびにやり直しになりAPI従量課金では試せる回数が限られること、AIに任せた処理の中身が見えずブラックボックスになることだ。
Kariの新機能は、この3つに応えるものだ。生データの読み込みと型付け、複数データの結合、集計、チャート作成、示唆出しまでを、普段使っているClaude・ChatGPTのサブスクリプションのままAIに任せられる。汎用のAIエージェントとして提供してきたKariにとって、初めての専門領域向け機能となる。
サブスクのまま何度でも試せる
同機能は、ClaudeやChatGPTのサブスクリプションでそのまま使えるため、API契約やトークン単位の従量課金が不要で、仮説を変えて何度でも分析し直せる。ファイルをどこかにアップロードする必要はなく、20万行を超えるCSVや複数のExcelファイルにまたがるデータも扱える。日本語特有のShift-JIS文字コードを自動判別し、チャートの日本語も文字化けしない。
AIが書いた処理はすべてPythonスクリプトとして保存され、人間が読んで確かめられる。元のデータは書き換えないため、条件を変えて何度でも実行し直せる。KariはAIを指示待ちの道具ではなく一緒に働く同僚と位置づけており、指示になかった論点に気づくと自主的に決めた扱いを明示し、変更の要否を利用者に確認する。
分析対象のファイルや変換後のテーブル、スクリプト、チャートはすべて利用者のPC内に保存され、分析データがGotoAIのサーバーに送られることはない(クラウドAIサービスを選択した場合は、処理に必要なデータが選択したサービスへ送信される)。
公開データを使った活用事例も公開
GotoAIは、公的機関が公開しているデータを使い、取得から示唆出しまでの全工程を公式ドキュメントで公開している。国土交通省のデータから東京都23区の取引価格20万7,636件を分析した事例や、観光庁・JNTO・法務省の3つの統計を結合して国籍・地域別の訪日客の消費総額を試算した事例などがある。後者では、AIが消費総額の横ばいについて「中国の急減を台湾・米国・韓国の伸びが打ち消している。安定ではなく相殺」と読み解いている。
想定する利用シーンは、政府統計や公開データを集計して記事やレポートの裏付けを取るメディア・調査分野や、売上・顧客のExcelを集計・可視化する中小事業者、定型分析を自動化する中堅・大手企業など幅広い。
個人および100名未満の組織は引き続き無償で利用できる。GotoAIは2026年7月設立のAI企業で、AI導入の初期評価からPoC支援、本番システム構築までを一貫して支援している。Kariは製品サイトまたは公式ドキュメントから無償でダウンロードできる。