全国発となる「感動産業特区」を宣言した沖縄本島東海岸のうるま市の現代版組踊「肝高の阿麻和利(きもたかのあまわり)」の東京公演がこのほど、都内文京区のシビックホールで開催され、若い躍動感を爆発させた舞台に大歓声が上がった。
この組踊は、沖縄に古くから伝わる伝統芸能をもとに、現代音楽とダンスを組み合わせ、地域の歴史上の英雄である阿麻和利の半生を描いたものだ。世界遺産に登録されている勝連城跡に忍び込んだ子供たちが肝高の神に出会い、阿麻和利が地元の人たちの支援を受け、第10代目の城主として、この地を繁栄と平和に導くストリー。阿麻和利は旅芸人に襲撃され非業の死を迎えるが、勝連の人々に自らの夢を託して幕を閉じる。
2000年の初演以来、300回以上、総入場者数20万人超
そして何より強調したいのは、演技をするのが地元の中高生160人余りであることだ。彼らが長い時間を稽古に費やし、晴の舞台でダイナミックな演技を披露しているのが観客の共感を呼んでいる。2000年の初演以来、沖縄県内外、そして海外公演も含め、300回以上、総入場者数20万人超という沖縄発ロングラン公演をなっていることだろう。
当初は子供を利用しているとの批判も聞かれたそうだが、逆に中高生たちが、沖縄、琉球と地元うるまの歴史と文化を知り、誇りに思うようになり、息の長い活動につながっていると関係者は胸を張る。
感動産業特区として“ウィン、ウィン”の関係を築く
会場には沖縄からの上京組、東京沖縄県人会のメンバーらが駆け付け、拍手とともに沖縄の言葉が飛び交い、熱演に大きな拍手を送っていた。
また、挨拶で登壇した中村正人市長=写真右=も「感動を産業に。感動産業特区」を宣言した背景を明かしたうえで、「まさに肝高の阿麻和利の組踊は、感動を伝えるもので、その結果が子供たちと地元の皆さんとの“ウィン、ウィン”の関係が成り立っている」と締めくくくった。