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ここ10年で飛躍的に伸張~東京に於ける舟運観光の現状と展望~

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 私ども(株)ジールは、港区に本社を置き東品川にてプライベート桟橋と地中海料理のリストランテを運営する不定期旅客船の事業者です。

ジールクルージング|東京・横浜での人気の東京湾クルーズ・貸切船上パーティー・東京遊覧観光 (zeal.ne.jp)

(見出しの写真は、好評を博しています「目黒川の桜」クルーズです)

             (賑わいを見せるジールの専用桟橋)

 1993年6月15日に創業して丁度30年の節目を迎えております。この間、観光船事業に纏わる周辺環境は大きく変化しており、設立当初は行政側も私どもの様な事業に否定的で、何かをしようとしても殆どのことが反対され、相手にもされなかった時期が長く続きました。都内で使える桟橋は1箇所しかなく、現在も中央区の朝潮埠頭にある「朝潮小型船乗り場」オンリーでした。今では60以上の利用可能な桟橋があり、行政側の考え方もこの10年前後で大幅に変わって参りました。

そもそも小型旅客船⇒プレジャーボート⇒不法係留⇒やっかいもの

という扱いだった様に感じております。

 その様な時代が長く続きましたが、船舶の持つ魅力、価値、可能性などはお客様が実感していただいており、また、江戸時代に形成された東京独自の人口運河や隅田川を初めとする一級河川など舟運を行うに際し、最適な水域が多く広がっていることを行政側も段々と認識されて来たのかなと思います。

(桟橋に併設されるリストランテ)

 この間に水質も大幅に改善されて来たことも、水運の進展を後押しする形につながっていると思います。事業を始めた頃は、プロペラが水を掻く様子が茶色の泥水を掻き乱している様で、見ていてもあまり良い気持ちがしなかった記憶があります。今では、透明度も取り戻しつつあり、冬場などは桟橋の下で黒鯛の大群が泳ぎ回るのを度々見る様にもなりました。舟運観光の活性化、推進の機運に合わせて、船から見る街並みの景観も大きく変化して来ております。

 江戸時代に栄えた水辺の文化、舟運の魅力を現在に甦らせて、東京の大きな観光資源に育てて行くことが今後の使命だと感じております。

(つづく)

寄稿者 平野拓身(ひらの・たくみ) 株式会社ジール 代表取締役社長

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