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だから、朝カレー! ~旅館に泊まった特別な一日の始まりは、美味しい朝食から~

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なぜか食べてしまう 旅の朝ごはん

 早いもので楽天トラベルさんが<朝ごはんフェスティバル>を開催してもう13年です。これは宿泊施設における日本一の朝ごはんを決めるもの。当時からたくさんの仕事先がこのフェスに挑んでいたため私にとっても身近なイベントでした。当時通っていた10室の規模の仕事先がグランプリをいただいたこともあり、皆さんの頑張りを近くで勉強させていただきました。

 楽天トラベルさんによる「朝食に関する調査」を見ると、出張で宿泊施設を決定する際に朝食付きプランを選択するかという質問に関しては、85.3%が「はい」と回答しています。つまり、旅先の朝食を重要視しているユーザーが多いことが伺えます。なぜか旅先だと残さず食べてしまう朝食、今回は印象に残った朝食の中でも<カレー>についてまとめてみました。

 朝カレーを摂ることの最大のメリットは、脳を活性化することと言われていますが、栄養バランスの向上や美肌効果、二日酔いの抑制など、さまざまなメリットがあります。しかし、「食べることによって、元気になることだ」と私は思っています。

新陳代謝アップ「タイ風カレー」<三重県>

 まずは一昨日の朝食でいただいたビュッフェのカレーが結構衝撃でした。それは仕事先の三重県の戸田家さん、大型旅館でありながらお料理がとても評判で夕食のアップルパイなど並んだ途端になくなってしまいます。旬の地魚の解体ショー、手作りの生地に季節のトッピングの焼きたてピザなどライブキッチンも人気です。そんな戸田家さんの朝カレーは<脳を活性化させましょう>という手書きPOPが添えられた<タイ風カレー>。

 お客様のクチコミでも<お伊勢参りで宿泊したホテルでタイカレーが出てくるとはさすがに想定外、そしてかなり美味しい>とあり、世界と鳥羽、ホテルと旅館、とてもボーダーレスな印象を受けました。

柔軟な発想の料理長「稀なカレー」<長野県>

あぶらや燈千料理長特製のスパイスカレーを贅沢にあいもりにしたYUDANAKA BREWERY COMPREX Uのダブルカレー(HPより)
あぶらや燈千料理長特製のスパイスカレーを贅沢にあいもりにした
YUDANAKA BREWERY COMPREX Uのダブルカレー
(HPより)

 次は長野県のあぶらや燈千さんの朝食のカレーです。夕食は名物の<あぶらやフォンデュ>や私達の個室まで来てくださった調理人がお寿司を握ってくださる会席料理を頂くことが多いのですが、満席の場合はルーフトップバー雪月花にて信州リンゴなどを生かしたコースをいただきます。

 どのお料理も素晴らしく、毎回こんなに食べて・・・と反省しながらもわくわくと待つのが朝食の信州牛カレーです。おそらくこのメニューは私達が通っていても毎回あるわけでもなく出会えたら本当にラッキーな一品。あぶらや燈千さんの料理長は、和食出身ながら柔軟な発想のできる方で新しくオープンされた系列店のYUDANAKA BREWERY COMPREX Uで提供されるカレーも料理長特製のもの、こちらのメニューを決定する際の試食会にも参加させていただきましたが、10種類以上のスパイスをオリジナルで配合したというこだわりのカレーは忘れられない味でした。

 ときおりひっそりと提供されているあぶらや燈千さんの信州牛カレーの美味しさの秘密を掴んだような気持ちでした。

カレー消費量一位県「和朝食」<鳥取県>

白扇料理長の手書きのお品書き セロハンの中味は季節で変わります
白扇料理長の手書きのお品書き
セロハンの中味は季節で変わります

 ビュッフェ スタイルで提供される朝カレーはホテルはもちろん旅館でも多いと思いますが、お膳で個々に提供される和朝食でカレーを提供されている施設もあります。私も数百軒の宿泊施設に宿泊してきましたがこのスタイルは、ほかに出会ったことがありません。鳥取県皆生温泉にある湯喜望 白扇さんは割烹旅館として開業されたお料理自慢の宿、その鳥取の名物にこだわった朝食のお膳に美しい和食と共になんとキーマカレーがなんとも品よく登場いたします。

 調理長の手書きのお品書きにもワクワクしますが、実際にいただいてみるとまさしく口福(こうふく)、とてもときめきを感じます。鳥取県はカレールーの消費量日本一になることも多くカレーが身近なようです。

 お米が美味しいこと、ラッキョウの生産が日本一であること、女性の就業率が高いことなどがその理由だそうです。

プロすぎるカレー「感動の朝食」<山梨県>

糸柳社長のこだわりのジョイアルカレー(HPより)
糸柳社長のこだわりのジョイアルカレー(HPより)

 初めて訪問させていただいてからもう4年、旅館の朝カレー・・・と思って最初にいただいた時の裏切られた驚きは相当なものでした。山梨県石和温泉にある糸柳さんのカレーはかなり本格的です。料理好きな社長が若い頃に修行していたホテルのカレーの味が忘れられず、試行錯誤して追い求めた味が朝食で評判を呼び、ついには都内のカレー激戦区に出店し2018年神田カレーグランプリで、準グランプリに表彰されたというストーリー、お話を伺うと1位でなく2位だったことが本当に残念だったとか、カレーにかける想いの深さを感じます。

 この糸柳オリジナルのジョイアルカレーは、高速のSAのレストランや石和温泉にあるカレーの直営店でもいただけますが、やっぱり糸柳さんに宿泊していただくのがおすすめです。ロビー横のスペースでは夕食後にあっさりとしたカレーがお夜食でいただけますし、朝食ビュッフェでは夜食よりも本格的なカレー2種を楽しむことができます。糸柳さんの<感動の朝食>はあれこれ迷うほどの品数が丁寧に美しく盛り付けられていてつい食べてしまいそうになるほど誘惑が凄い。

 私はこのカレーのために厳選してビュフッエを選び、おなかの具合を調整し、小さな平皿にごはんをほんの少しの上に2種のカレーをあいがけにしていただきます。

美味しい朝ご飯は、まさしく<口福>

改装した糸柳のダイニング。こちらでカレーをいただきます!
改装した糸柳のダイニング
こちらでカレーをいただきます!

 幸せな美味しい朝ごはん、今回ご紹介したのは仕事先ばかりで主にダイニング会場のデザインなどを担当させていただいています。他にも私の朝ごはんに関する仕事はメニュー内容や提供方法の構築、お品書きのデザイン、スタッフの制服などさまざま。朝食も本当に奥が深いものです。

 なお、取材時のメニューに付き、今回の寄稿に際して、既にメニュー変更がある可能性があります。悪しからず、ご了承くださいませ!

(これまでの寄稿は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=25

(すみやのHPは、こちらです) https://www.sumiya-villa.com/

寄稿者 住百合子(すみ・ゆりこ) AO STYLE インテリアデザイナー・コーディネーター



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