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ユネスコエコパークみなかみ町視覚的に訴求する観光とDMO

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 私が勤務する、みなかみ町観光協会は関東の最北・群馬県みなかみ町にあります。

 都内から新幹線で約1時間。駅を降りると周囲は谷川連峰に囲まれ、町の中央を利根川の清流が流れる風光明媚な場所に驚かれることでしょう。そう、この場所はユネスコからみなかみユネスコエコパークとして認定されている、世界から認められた地域なのです。

 ユネスコエコパークは世界自然遺産とは異なり、守り・活かして・広めることが理念とされています。まさに、みなかみ町の観光を象徴する温泉は「みなかみ18湯」として法師や宝川など国内を代表する温泉地を擁しています。また、春の雪解けが注ぎ込む利根川は世界的な川のグレードとなり、ラフティングやキャニオニングなどのアクティビティによりその理念が果たされています。

 みなかみ町観光協会は2018年3月にDMOに登録されました。これは、国の推進も大きく影響しておりましたが、従前の観光振興では将来を見据えた芯の通った施策がなされず、ややもすると、今まで通りのやり方が検証されずに、勘に頼ったその時だけの振興で終わってしまうことが地域としての大きな課題であり、その改善が一番の目的でありました。

 登録後は、町の観光としてあるべき姿を想定した数々の施策を実施してきました。人と人とのつながり(こちらは改めて…)はもとより、例えば、観光を象徴するロゴマークの制作普及により、DMOが目指す方向をわかりやすくマークで集約し、町内の観光にかかわる事業者さまのみならず、地域住民の皆様に対しても改めて観光の町であることを認識いただいてきました。さらに四季の大自然やコンテンツを楽しく迫力を持って視覚的に訴求するためのPR動画やオンラインでのフォトギャラリーの制作です。

 これらを複合的にソーシャルメディア中心に波及させることにより、町内産業の一番軸である観光をわかりやすい方に具現化させることをDMOの目的に据えております。また、中長期的な展望で、今注力すべき事柄をまとめて優先順位をつけながら実務にあたり、その事柄や優先順位については、官民で合意形成がなされた5か年総合戦略が自治体でまとめられており、その中に観光に関する6項目の指針があり、これを教科書として日々の業務に当たっています。

 日々の取り組みがじっくりと伝播し、将来的には、統一感のある町全体の質感やインフラ、コンセプトを明確な媒体などが広く普及させ、実際に来訪頂いた際には、みなかみらしさを感じてもらえるよう、徹底的な「みなかみ」のブランディングを行っていきたいと考えています。

寄稿者 木村崇利(きむら・たかとし)(一社)みなかみ町観光協会

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