JR東日本びゅうツーリズム&セールス(VTS)はこのほど、岩手県花巻市ユネスコ無形文化遺産「大償(おおつぐない)神楽」の〝通い神楽〟商品の販売を始めた。9月28日からは、大償神楽保存会と連携し、JR上野駅(東京都台東区)の構内にある観光情報発信や各種旅行相談を行う拠点「駅たびコンシェルジュ上野」で花巻市の民俗芸能で、ユネスコ無形文化遺産である「早池峰(はやちね)神楽/大償神楽」の使用されている衣装の展示や、通い神楽商品の案内を実施。通い神楽体験ツアーを通じて神楽の観光コンテンツ化や、民俗芸能の存続、後継者の育成を支援する。駅たびコンシェルジュ上野での展示は、10月9日まで行われる。
花巻市×慶應SFCで発案された「通い神楽」を旅行商品化
旅行商品は、花巻市と慶應義塾大学SFC研究所の連携による「花巻市地域おこし研究所」が民俗芸能の新たな演者確保の形である、集落外から通って大償神楽の習得・演者確保を目指す「通い神楽」の概念を商品化したもの。また、今回は観光庁が2023年度に行う「インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業」の一環として実施している。
ダイナミックレールパック所品とモニターツアーの2商品を用意
旅行商品では、新幹線・特急列車と旅館・ホテル等の宿泊施設を組み合わせる価格変動型の旅行商品「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」を活用しながら花巻温泉で宿泊できる個人型旅行商品「大償神楽体験プラン」や、団体モニターツアー「花巻市ユネスコ無形文化遺産 500 年以上の歴史をもつ『大償神楽』の舞体験と『神楽の日』公演鑑賞 2 日間」が販売されている。
参加者は、大償神楽保存会の指導による神楽を体験。個人型旅行商品では、最大で5回の通い、大償神楽の体験が可能で、通いの回数に応じて、習得レベルが設定される。また、参加者は、2024年8月の早池峰神社例大祭、9月の大償神社例大祭で行われる「しんがく奉納」への参加リクエストが可能になる(詳細は当日に案内)。団体型モニターツアーでは、花巻市博物館館長による座学講座や大償神楽の演者による演目鑑賞、花巻市の特産品であるワインを「エーデルワイン」で工場見学、試飲体験ができる。「ツアーに参加することで、神楽の理解を深め、維持継承につながる」とVTS。
1、個人型旅行商品(1泊2日、JR東日本びゅうダイナミックレールパック専用プラン)
2、団体モニターツアー「花巻市ユネスコ無形文化遺産 500 年以上の歴史をもつ「大償神楽」の舞体験と『神楽の日』公演鑑賞 2 日間」
大償神楽の衣装などを展示
駅たびコンシェルジュ上野の展示では、大償神楽で実際に使用されている衣装の展示のほか、2023年11月11日に実施される団体モニターツアーの案内チラシ、早池峰神楽/大償神楽を紹介する動画案内(QRコード)が掲示された。