2023年12月、イタリアミラノに訪問しました。スイスからアルプスを抜けての最終行程です。スイスの山岳リゾート観光を自分なりに振り返ってみました。しかし、ミラノで過ごした2日間は、観光としてとらえた際に、スイスとは全く異なるものとなりました。
旅の余韻冷めやらぬ今、主観として、記しておきたいと思います。
文化に触れ、日常生活の延長線上に・・・
ミラノでのそれは端的に言い表しますと、「文化的日常生活体験観光」でした。中世の頃から続く街並みは、いつか読んだおとぎ話の中に出てくるような情景です。そして、建物の中に目をやれば、そこは現代風にリノベーションされたモダンなお店やリストランテやカフェが入っています。
オフシーズン、街には日本人含めたアジアの方々の姿はほとんど見受けられません。クリスマス前のこの時期、年に一度の特別な期間にプレゼントを買い求める。夜の街を楽しもうとおしゃれして繰り出す。まさしく、地元の方が中心のようでした。
そこで、ミラノでの体験を観光としてとらえた時、なんだかいたって日常的で、地元の生活の一部に仲間に入れていただく、そんな感覚を覚えました。例えば、カフェに入った時、「チャオ」と笑顔で迎えられる。そして、気負うことなく席につきオーダーできるこの感覚。日本で言えば、馴染みの町中華でのそれと似ています。(日本ではなかなかそうはいきませんね。おそらく・・・)
成熟した結果を、より戦略的に・・・
このフランクな感覚は、古くから他民族が入り混じり、文化が成熟してきた結果なのでしょうか。もし、それが観光の成熟した姿であり、意識的にそのような環境を作り上げていたとするならば・・・
素晴らしく戦略的で、これが世界から人々をひきつける大きな魅力の一つであると感じます。逆説的には、日本の観光は、古来から続くおもてなしの文化。そして、世界に誇る温泉文化です。これは、世界にここでしか体験できない感覚だとも言えると思います。
異国の地で、この極めて独自の感覚感性が、「未来に向けて世界に誇れる独自の文化の一つとなり得るものだ」と確信することができました。
この地はトレンドの最先端、世界を代表するデザイナーを数多く生み出してきました。その要因は、これらの文化的な生活要素が大きく影響したことだったのでしょうか。
これは、またいつか訪れる時までの宿題としたいと思います。
(これまでの寄稿は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=15
寄稿者 木村崇利(きむら・たかとし) (一社)みなかみ町観光協会