2度目のピンチ、コロナは乗り越えたかのか
みなさん、初めまして。東京・中央区茅場町でインバウンド向けのツアー会社を運営している肥塚(こえづか)由紀子と申します。2006年に思い立って4台の自転車を買い、ガイド付き自転車ツアーを開始して以来、気づけば今年で17年目となりました。今はガイド付きカヤックツアーとランニングツアーの3種類のツアーを催行していて屋号はTokyo Great Toursと言います。自分たちでグレートと名乗っていて自画自賛ですが、名前に負けないよう頑張っているつもりです。
去年の10月に国境が開いて、徐々にお客様が戻ってきており、春以降は急に予約数も増えて、3年間ほとんど開店休業だった状態に慣れてしまった体が、突然の活況ぶりについていけない日々を送っています。ゲストはコロナ前と同じく、海外からのインバウンド旅行客がほとんどで、サイクリングもカヤックも欧州、北米、豪州出身者が多いです。
ゲストがゼロでもやめなかったのは
そんな昨今ですが、2019年の年末に得体のしれないウィルスが中国で発見されてと聞いたときは、まだまだその年の秋に行われたラグビーワールドカップとその観戦で日本に来たゲストとのとっても楽しかったツアーや交流の余韻に浸っていましたが、2020年に入って香港からのリピーターゲストが、ツアー中にゴーグルをかけ、手袋着用の完全防備の姿でマスクを爆買いしているのを見て、呑気な私もこれは大変なことになりそうだと思い始めました。それでも、その時は2011年の福島の原発事故ですべてのツアーがキャンセルになり毎日不安だった過去のことを考えて、あの時も半年経てばゲストは戻って来てくれたしなと不安を払拭しようとしていました。
実際2020年2月28日に観光メディアのトラベルニュースの取材に対して、こんな風に答えていました。
ところが、その後も国境は閉じられたままで、ゲストがゼロの日が続き、何度も何度も、もう会社やめた方が良いかなと思いました。でも、やめなかったのはガイドの仲間から、TGT(Tokyo Great Tours)は心の拠り所だから残しておいて欲しいと言われたから。辞めたら20台以上ある自転車やカヤックの処分が面倒くさかったという理由も大きいのですが。
それがようやく昨年の10月に国境が開くというニュースが。以前のように家賃を払えるほどにゲストが戻って来るのかまだ不明でしたが、長かったトンネルの出口が見えたと思った瞬間でした。そして現在に至ります。
以上、今回は第1回で自己紹介と現在の様子を簡単にご紹介しました。次回から弊社ツアーの紹介がてら外国人旅行者と一緒にめぐる東京の様子を、自転車やカヤックからの視点でお伝えできればと思っています。
寄稿者 肥塚由紀子(こえづか・ゆきこ) 東京グレートツアーズ代表